こんにちは。ファザーリングジャパン九州の樋口です。

ここのところ、世間でのイクボスブームはすごいですね。イクボス企業同盟も100社を突破しましたし、行政レベルでも、知事がイクボス宣言をした都道府県が増加し続けており、先日はついに東京都の小池知事もイクボス宣言しました。

九州の中小企業の間にもイクボスの浸透を願うばかりですが、本コラムでも書いているように、「イクボス」と「部下ヂカラ」は同時に進めていくと組織における浸透力は2倍以上になります。

つまり、イクボスに目覚めるためには上司のスイッチが入る必要がありますが、部下はそれにはただ指をくわえて待つだけではなく、「部下ヂカラ」で上司を触発していった方がより効果的であるということです。

 

さて、今回も「実践編」第2弾として、「部下ヂカラ」10か条の続きを見ていきたいと思います。

「部下ヂカラ」でボスを変えよう【実践編】その1(樋口一郎)〜部下ヂカラ10か条〜

<これまでの記事>

■その3「見える化」

抱えている仕事について、周囲に理解してもらっているか?抱え込んでいないか。常に進捗を「見える化」することでボスの理解を促進しよう。

私が職場で約3年前に現在の部署に着任した時、一番驚いたのはチーム内での業務内容や分担について、一部の率先して取り組む職員に任せられており、業務全体を全メンバーが俯瞰的に見渡すことのできる環境ができていなかったことです。そのため、場当たり的に仕事をこなしたり、スケジュールを立てて臨めば大したことのない仕事が直前に発覚することによりチーム全体の負荷になり残業につながるようなことが散見されていました。

このような状況では後述する「改善提案」も出てきにくい状況でした。そこで、まずは仕事を項目ごとに細分化し、「仕事見える化マップ」のようなものを作成し、チーム全員で修正を行いながら共有していき、その中で役割分担を見直すことにしました。そうすることで自身のミッションばかりかチーム構成員の役割分担も明確になり、業務を短時間で終えることができるようになっただけでなく、お互いにカバーし合える体制を作り出すことができました。

さらにこのマップを上司に提示し、業務の進捗について常に見せておくことで上司からも安心して仕事を任せてもらえるようになったと思います。

皆さんの職場では仕事の見える化は進んでいますか?上司が変わらないと嘆いている傍らで実は上司が仕事の進捗を把握しづらい状況に陥ったりしていませんか?

■その4「予定先取り」

スケジュール感を持って仕事に取りみ、無理のない前倒しを目指そう。子供の病気や介護等、急な予定が入ってもリカバリーを可能にしよう。

これからは、子育て世代の若年層だけでなく、管理職も介護等で働き方を制限せざるをえないケースが増えてくることが予想され、いわゆる「時間限定社員」的な働き方をせざるをえない社員のボリューム層が増加してきます。

そうした職場において、全社員がスケジュールギリギリで、または自分の任務だけを淡々とこなしていたらどうなるでしょうか。人が足りなくなった瞬間、職場が炎上してしまうようだと、他の社員への仕事のしわ寄せや押し付け合いが始まり全員に不満がたまってしまいます。

私も、子供ができる前はスタンドプレー的な働き方をしていた時期もありましたが、子供の突然の看護等の可能性が出てきてからは、職場では常に仕事のデッドラインを1日程度前倒しするようなスケジュールの組立をしていました。そうすれば何かあって自分が動けなくなった時にもリカバーが可能ですし、逆にチーム内の誰かの仕事が急に回ってきても対応可能です。当然、他人のリカバーを効率良く行うためには(前述の)仕事の「見える化」が大事です。

こうしてお互いにフォローし合えるチームができた時、それを堂々と上司にアピールしましょう。「急に休みを取られたら困る」等といったクレームは出てきにくくなると思います。

■その5「改善提案」

部下の視点ならではの改善提案を主体的にボスに行い業務量を減らそう。 ボスが見えていない部分はきっとある。

これまで見てきた「見える化」「予定先取り」はお気づきのとおり、相互に影響しあってくる業務効率化の手法です。予定を先取りすることで良い意味での「暇な時間」が生まれ、新たな発想を行うゆとりも出てきます。そうした時に是非お勧めしたいのが「業務改善」です。

私の職場でも一通り業務を「見える化」した後に待ち受けていたのは、「なぜこの仕事をこのようなアプローチでこれまでやってきたのだろうか、もう少しこうやったら顧客も自分自身も楽になるのではないか」といった漠然とした疑問でした。これを少しずつ「改善提案」へと変えてゆき、周囲の同意を得つつ従来業務を見直していきました。例えば年に2回開催していた会議を1回にまとめたことで、資料は1/2で済むようになったし、短時間で終わらせるための各種工夫のアイデアも生まれてきました。

皆さんのボスは一業務の担当ではありませんから、細かい改善提案をトップダウンで指示することは時として難しいケースが多々あると思います。上司に指示される前にボトムアップで現場からそうした提案を行い、ボスのなしえない業務量削減を図っていけばきっとそのアプローチは評価されるようになると思います。前例主義のボスもいますが、業務改善による「メリット」を切々と説明すれば分かってもらえるのではないでしょうか。

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本日ご説明した3点は、部下ヂカラ10か条というよりは「業務効率化3か条」のように聞こえた方もおられると思いますが、以前イベントで、部下の立場の方々とご一緒し「イクボス」について意見交換した際、私は、上司とコミュニケーションし業務効率化の努力をする以前に、現状を「諦めている」方が意外とおられることに衝撃を受けました。

最悪の「ダメボス」の前には撤退しかないかもしれませんが、どちらに振れる可能性もある「中間層ボス」には試してみる価値ありです。

 

次回は「冷静」「垣根越え」「ツール導入」について触れたいと思います!

執筆:樋口 一郎