ファザーリング・ジャパン九州理事の馬場です。
平日の朝、部屋の片隅に置かれた使わなくなったランドセルを見て、次男が卒業したことを実感しました。もう背負うことのないそのランドセルは、小学校生活の終わりと、次のステージへの始まりをそっと教えてくれているようでした。
長男、長女、次男と11年間お世話になった小学校。振り返れば、毎日通った道、行事のたびに感じた緊張や喜び、先生方や友達との関わりが、まるで昨日のことのように思い出されます。慌ただしくも充実していた日々は、過ぎてしまえば本当にあっという間でした。
そんな最後の1年間は、思いがけずPTA会長を拝命し、保護者としても特別な時間を過ごすことになりました。1年間という限られた期間。まるで「9回裏、満塁の大ピンチ」に立たされたような気分でしたが、私にできることは、未来への「種まき」だと考えました。
取り組んだのが、「一人一役」の委員会活動をボランティア制にすることでした。PTA活動は負担が大きいと感じる保護者も多く、参加のハードルを少しでも下げたいという思いがありました。最初は戸惑いの声もありましたが、いざ始めてみると、「自分にできることなら」と協力してくださる方が少しずつ増えていきました。保護者の方それぞれが、無理のない範囲で関わることで、負担感の軽減にもつながったのではないかと思います。
もちろん、すべての保護者の方を満足させることはできなかったかもしれません。それでも、「今年はちょっと楽だった」「参加しやすかった」といった、ほんの少しの賞賛の声が聞こえてくるたびに、「やってよかった」と思えました。その言葉が、私にとっての大きなモチベーションとなりました。
そして、次男はいよいよ来月から中学生になります。一番実感がわかないのは、きっと私でしょう(笑)。11年間通い続けた小学校にもう用事がなくなるのは、なんだか不思議な気持ちです。それでも、PTA会長という役目を通じて、多くの先生方や保護者の方々と関わり、学び、考えたことは、私にとっても大切な経験となりました。
小学校生活を終えるのは子どもだけでなく、親にとっても大きな節目。これまでの日々に感謝しつつ、新しいステージへ向かう子どもをしっかりと応援していきたいと思います。