原島丈児コラム

横断歩道の旗持ちは子どもたちとの交流会

ファザーリング・ジャパン九州の原島丈児です。

町内の清掃活動や夏休みのラジオ体操などの機会を活用して、地域の子どもたちとの対話を増やしたいと日々思っています。

そこで今回は、小学生登校時の交差点での旗持ちボランティアに注目してみます!
旗持ちボランティアをやってみて、旗持ちと対話の意外な関係に気付きました!

1 旗持ちの役割

交差点での旗持ちボランティアは、青信号になった時に右左折車両を停めて、子ども達が安全に横断できるようにしています。

なので子ども達が信号を待っている短い時間に、子どもたちとの会話の機会が生まれます!日常生活で小学生と話す機会など滅多にありませんが、旗持ちボランティアをやると地域の子どもたちとたくさんお話しできます。

旗持ちは交通安全だけでなく地域交流にもつながります!実際にやってみて気付くメリットです。

2 地域の色んな顔が見える

赤信号の短い時間で話せる内容は限られています。

ランドセルにつけているキーホルダー、遠足や運動会の内容、今日の給食のメニュー。様々な対話を通して子どもたちの性格や、家庭での生活の様子が垣間見えてきます。

「この前USJに行ったからキーホルダーをつけてるんだー」
「家族の中に納豆好きがいないから給食にでたらめっちゃ嬉しいんだー」

このような話を子どもたちとしていると、とても嬉しそうに話してくれます!
青信号になって横断歩道を渡りながら、ずっと話を続けてくれます。

「来週旗持ちするから、また続きを聞かせてねー」
笑顔で手を振ってくれる子どもたちに、朝から癒しと元気をもらえます!

3 懐かしいヤンキー

子どもたちに混じって色んな大人も信号を待ちます。幼児を送る親、出勤前の大人、そしてスマホをいじる若者。挨拶を返してくれる方もいますが、スマホから目を離さない若い男性にはガン無視されました。

明るい髪とオーバーサイズの服装の若者に、ちょっとだけイラッとしてしまいましたが、彼が信号を渡った後に驚きの光景を目にしました。
横断歩道の対面にいたボランティアの方に挨拶をされると、会釈をして会話をしていました!

後ほどボランティアの方にお話しを聞いたところ、彼が小学生の時によくこの横断歩道でお話しをしていたようです。久々の再会に会話がはずんだみたいですね。

旗持ちボランティアを続けていると、こんな関係も築けることに胸を打たれました。
同時に、見た目で人を判断した自分を反省しました。

4 面白い自由研究

夏休み明けの子どもたちとは自由研究の話で盛り上がりました。
昆虫の生態、海水のしょっぱさ比較、電車のダイアグラムなどの可愛らしいテーマや、殺人犯の気持ちの探究などギョッとするものもありました。

その中で1番印象に残ったのは、将来の夢についての研究です。
「将来、女優になりたい」という女の子がいました。
ドラマの女優に憧れて、演技が上手くなりたいようです。

この子は毎回、色んなドラマのオススメポイントを教えてくれます。でもどうやったら女優になれるか分からないことが不安なようです。

地域の子どもたちとも様々な探究活動が出来たらいいのになぁ…。
この子の夢が叶う方法を模索しているうちに、ボランティアの時間が終わりました。

来月また会える時に、何か提案できるものを用意してみようと思える、旗持ちをしている大人にとっての探究の時間でした!

子どもたちとの対話の内容は、保護者間でのお話しのネタにもなります。

「この前USJに行かれたんですか?」
「この前、ご自宅で納豆戦争が起きたみたいですね(笑)」

保護者の方々が「?!」とびっくりする様子がとても面白いです。
やっぱり地域交流につながる旗持ちですね。

地域交流の貴重な手段になる旗持ちは、ボランティアというより交流会みたいなものです。
やってみたから気付けました!

何事も先ずはやってみる!