こんにちは、狩野です。
前回の「Part1」に続く、Part2を更新しました。
9月23日(日)に長野県安曇野市の龍門渕公園内前川で開催された「第3回羽根田卓也カヌー大会」に親子で出場してきました。
私はこれまでOC(オープンデッキカナディアンカヌー)一筋でしたが、今回はじめてのC1(クローズドデッキカナディアンカヌー)での試合でした。漕太もポリエチレン艇(レジャー用)から、オリンピックでも出場できる本格的な公認スラローム艇の初体験でした。

それというのも、現在居住の東京都江戸川区に2020年東京オリンピックに向け、「日本初人口カヌースラロームコース」が建設されます。(リオデジャネイラ五輪でC1銅メダルの羽根田選手に金メダルの期待がかかります。)そのため、江戸川区ではカヌーを盛り上げ、地元に定着させるための子供主体のカヌークラブを立ち上げました。
たまたまだが、そこに住んでいる!これは引き寄せ!「縁こそ天からの贈り物。流れは掴む!」を信条としている私は、つてを手繰って、このDuckカヌークラブに家族で入会できました。
そして漕太と「親子で人口コースを一緒に漕ぐ!」を共通目標として握り、激流のゲートに漕ぎでれるように腕を磨くため、二人で競技の分野に足を踏みいれました。
私が49歳のときに漕太は生まれました。正直、孫のような子供は本当にかわいい!
そして、直後、キリンビール㈱のアルコール営業から、㈱横浜アリーナ(当時キリンが筆頭株主)の営業責任者として出向しました。イベントホールの仕事は一般の勤務とはまったく違い、土日祝日などの午後から深夜が本番。平日、昼間は余裕があるため、私は保育園の送り迎えや食事などを引き受け「子育て」に没頭しました。
そして、「子供と好きなアウトドア、カヌーを楽しみたい。」と素直に想い、その実現に向けて「慎重」に、事を進めていきました。
と言うのも、カヌーは水相手! よく「泳げなくても大丈夫ですか?」とか「危なくないですか?」とか聞かれます。水泳が得意なカヌー乗りなど聞いたことありませんし、必要ないです。ライフジャケットの着用を徹底すれば、通常のアクティビティで死亡事故など基本的に起きません。
ただそれは、あくまでもこちら側の話。大人でも最初のカヌーで「これダメ!」と感じた人は止めていきます。ましてや「幼児」にとって、「水はあぶないもの。」私は「子供は遊びで怖い思いを一回でもしたら、二回目はない!」と強く自覚していました。
そして、自分の遊びにつきあわせるのだから「辛い思いはさせない!」。「あくまで遊びと自然の楽しさを通じて親子で交流するのだ!」と。
忘れないシーンがあります。
札幌から東京の本社に異動になった30歳ぐらいの時に、奥多摩御岳のダウンリバーツアーに行ったときのことです。まだ4月の河の水が冷たくあいにく気温が低い日でした。5歳ぐらいの男の子とカナディアンカヌーの二人乗りにでていた親子がいました。
お父さんはカヌーのウエットの上下に高級ブランドのアウトドアジャケットとカヌーの格好に対して、子供は普段着にレインウエアの上下だけでした。
その舟が岩に引っかかってひっくり返りました。すぐにレスキューしましたが、水温が低いので、お子さんは歯の根が合わないぐらいガタガタと震えていました。私は持参したホットカルピスを飲ませて落ち着かせましたが、思いました。
「逆だろ!子供にしっかり装備させろよ!」御岳の上流は日本を代表するスラロームの練習場で、その下からのスタートでしたが、それなりの瀬があります。初心者が子供を乗せるには厳しい。親子はそこでリアタイア退場でした。あの子は2度とカヌーには乗らないでしょう。
漕太にはまずお風呂遊びで水になれ、顔がつけられるようになったら、水泳教室、河遊びとステップを踏んでいきました。水や河を「怖いもの。」「あぶないもの。」「近づいてはいけないもの。」ではなく、石投げしたり魚を取ったり、少しカヌーで遊んだり、楽しい遊びとして近寄せていきました。
但し、必ず幼児のウエットスーツとライフジャケットを着用して、ひとつだけ言っておきました。「危険やや人に迷惑をかけそうな場合は大声を出すけどそれは怒っているのではないよ。安全のためだからね。」と。
3歳で、安曇野市の犀川をいっしょに下り、何回目かには、カナディアンカヌーに揺られて、前で寝てしまうぐらい慣れていきました。夏のキャンプで、は河に飛び込んで流れていくのを楽しむようになり、小学校になると一人でカヤックに乗り始めました。
3年生の時に、高知県の四万十川を一人で漕ぎ下ってキャンプダウンリバーが一緒に楽しみ、大会にもでるようになり、今に至ります。

私は、漕太をことさらアスリートにするつもりはなく、何をするかは本人の選択だと考えています。
アウトドア、カヌーの遊びや競技を通じて、自然や仲間とのつながりを持つ、心豊かな、自立、自覚、自信を持つ人間としての成長に、結果として、役立てばいいと思うだけです。
来年には、葛西臨海公園の横に「人口カヌースラロームコース」が竣工します。
そこで二人で漕ぎ出る日を心待ちにして、週末、那珂川と江戸川区で、親子で練習する日々をおくります。
(執筆:狩野雅彦)