こんにちは、狩野です。

Part1Part2に続き、今シリーズ最後のPart3を更新しました。

 

年末に向かってだんだん寒くなってきました。よく「カヌーはいつまでやるの?」という質問をいただきますが、「冬でもやっています。」

昨年まで東京にいるときの初漕ぎは1月2日の奥多摩御岳渓谷。駐車場もパリパリに凍ってスケートのほうが良さそうな感じですが、毎年、仲間が集合しています。

写真は昔、松本に住んでいたころ、2月の氷点下に、安曇野の大王ワサビ園の横を流れる万水川をダウンリバーした時のものです。

こちらの水車は黒澤明監督の映画「乱」やいろいろなロケに使われる場所で、夏は観光客であふれていますが、流石に人がいないですね。ドライスーツとウエット素材の手袋、ソックスの万全の装備で固めていますが、ライフジャケットから氷柱が下がりました。

 

こんな物好きたちですから、子供が生まれるといっしょにアウトドア、カヌーをしようと夢みるわけです。

私の子供の名前は「漕太」です。由来は写真の通り、河にちなんでつけています。

(書は私の人生の盟友、書家「禮生」に揮毫してもらいました。ちなみに彼の「親と子の書のワークショップ」も非常に面白い企画です。)

同じように仲間には「渓登」「流太」「彩水」「七瀬」など河にちなんだ名付けがいろいろあります。しかし、ここまで想いを持っていても、子供とのカヌー、アウトドアで「失敗パパ」が出現してしまうのです。

 

私が見るに、彼らには共通項があります。

松本時代の後輩で妻と一緒にカヌーの練習をした「K君」。娘が生まれると早速、3歳ぐらいからカヌーに乗せだしました。Part2で私の場合をお伝えしましたが、彼にも子供のアウトドアは決してあせらないように十分話をしていました。

「よくわかります・・・!」と返事はいいのですが、彼は仕事でも「そうは言ってもやっちゃえ!」というところがあって、その性分が失敗を招きました。

湖で乗せたのはいいのですが、そこで転覆したのです。

湖のカヌーは一見、穏やかで初心者に絶好と思われますが、実は大変、難しい場合があります。「風」です。カヌー界には「風沈」という言葉があるように、カヌーは非常に風の影響をうけます。

ですから、私は大きい湖では絶対に岸から20m以上離れません。脅かすわけではないのですが、ちゃんと装備をして河で巻かれて溺死することはほとんどありません。それよりも湖や海で、風で落水して、ハイポサミア(低体温症)で亡くなった方のほうがよっぽど多いのです。

「K君」も沖に出すぎてしでかしました。なんとか無事に岸にもどりましたが、娘さんはカヌーを怖がるようになり、二度とのらなくなりました。

 

同じくどんなタイプのカヌーでも乗りこなす万能のSさん。

彼の口癖は「大丈夫!大丈夫!」 昔、3月厳寒長良川に軽装備で行って、ツアーメンバーの半分がぶっ飛んだ大激流で爆沈。2キロ流されてハイポサミアになりかけてから、随分と慎重になったのですが・・・。

彼にも私は同じことを言っていたのですが、3歳の男の子をPart1で書いた御岳の下流でいきなり乗せました。彼は相当な腕前ですからカナディアンカヌーに子供を乗せても沈するようなことはありません。

しかし、結果として子供は「泣きじゃくり」こちらもカヌーに対するトラウマを作ってしましました。

カナディアンカヌーの二人乗りは、前に乗るのと、後ろに乗るのではぜんぜん流れ、波の感じ方が違うのです。

よく、夫婦でカナディアンカヌーに乗ると、前に奥さんが後ろにご主人が座りますよね。

私たちもほぼ全員が、カヌーをはじめた入り口の時はそうでした「カップルでカヌーっていいよね!」

しかし、今となってはほぼ全員の奥さんが「もう絶対にいや!」「2人で漕ぐのが嫌だから一人で乗るようになった!」「あんたそんなこと言うなら自分で前のってみい!!!」と宣います。(この理由は別の時に詳しく。)

カヌーのベテラン、大人のSさんにとっての「さざ波」も、前に座った子は凄く恐ろしく感じて、また水にも

あまり慣れさせていなかったので「怖い!怖い!」と言い出したそうです。それでも彼は「大丈夫!大丈夫!」

ツーリングを続けたのですが、最後は泣きながらカヌーの下に頭を潜り込ませてしまったそうです。

それからはなだめてもすかしてもなかなかカヌーには乗らなくなりました。

 

キャンプでも同様のことがあります。

雨風や寒さ、逆に暑さ、湿気。そして虫。昨今では、極端に虫を怖がるこどもが増えていて少し異常なほどです。

子供にもまして奥様方は、さらに毛嫌いする人が多くて、あまりの虫騒ぎに辟易することもあるぐらいです。

そこを十分に理解せず「キャンプは自然なんだから当たり前だ!」「これぐらいは我慢するんだ!」と聞く耳もたず、「自分と同じ」と考え、相手を考えずに状況を押し付けると、取り返しのつかないことになるのです。

また、場所ではトイレ。自然豊かな田舎、秘境的な場所ほど、「和式だけ」「ぼっとん便所」が残っています。

はじめて遭遇して便秘になる子、衝撃を受けてごはんが喉に通らない女の子もいました。まあ、免疫がないと確かにキツイかもしれません。

 

余談ですが、漕太でさえ、3年生の時、四万十川をはじめて一人で下り、有名な口屋内の沈下橋横の河原でキャンプしたときに遭遇した「ぼっとん」にはギブアップ。(どんなトイレかは酒でも飲んだ時にでも。綺麗とか汚いを超越したサバイバルトイレでした。)

1回はいったあとは、断固拒否。「正しい屋外の野糞の仕方」を教えることになりました。広い玉石の河原にテント一張り。焚火、火遊びし放題にしたのでご機嫌でしたが。

こんなことが複数重なって二度とアウトドアはいい!お父さんだけでどうぞ!と言われキャンプは一人参加の仲間はたくさんいるのです。

キャンプについてはこれとは別に「親」。「親のふるまい」が子供のキャンプをち壊して嫌いにさせる問題がありますが、こちらもまた別の機会に!

アウトドア、カヌーはうまく楽しめば、自然に触れ、本当に非日常で、子供はイキイキと、大人は心が浄化され、家族の笑顔があふれる素晴らしいイベントです。

しかし、入り口を間違え、子供目線、初心者の感じ方を軽く考え突き進むと、嫌いなもの、つらいものとして記憶され近寄らなくなってしまいます。

だって「遊び」なんだから。

ちゃんとステップを踏んで楽しさを味わえなければ、わざわざ、行かないでしょう。親爺だけが、「キャンプいいよな!」「カヌーはおもしろい!」なんと独りよがりをしていると、「お一人様」になるのです。

 

ぜひ、これからトライされる皆さんは、家族、子供と満開の笑顔のアウトドアを!

以上