パパインタビュー

【第7回】育休中は、妻と上の子のケアに専念。ママ友との砂場トークは貴重な情報源。取得後、社内にも体験を共有し、育休中のタイムテーブルも公開!(ヤフー株式会社・阿部友明さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第7回 パパインタビュー

  • 取得者:阿部 友明(あべ ともあき)さん(勤務先:ヤフー株式会社
  • インタビュアー:FJQ 樋口

阿部さんは、ヤフー株式会社でエンジニアを務めておられる45歳。2子の父親で、2021年4月に次子となる長女が生まれた際に2か月の育休を取得されました。

Q:取得のきっかけは?

私と同じ時期に1人目の子供が生まれ、2人目の出産とともに育児休暇を取得した同僚男性がいたので、私も、当然のように育児休暇を取得しようと思いました。

Q:会社にロールモデルがいることは心強いですね!取得時期はいつでしたか?

妻が退院後すぐ家で過ごす予定だったので、生後すぐから取得しました。

Q:奥様の出産後のケアが必要な時期に取得されたのですね。育休中は、主に何を担われましたか?

2歳になる上の子の世話全般と、妻の産後のケアもあり、食事などの家事をやりました。実際は、妻が回復してきた後半の1カ月は妻が食事を作っていましたが。

Q:取得にあたって会社との調整で大変だったことや会社の反応は如何でした?

会社も育休に寛容な風土でしたし、周りに男性の育休取得者がおり、給与や手続きについても彼らに聞くことができたので、特に大変なことはなかったです。業務の引き継ぎについても、上司や同僚達と2か月前くらいから調整し、育休中は業務に全くノータッチで過ごすことができました。

余談ですが、育休後は、育休中の過ごし方や手続き、お金の話などを職場の部署メンバー30名くらいでシェアし、今後も育休取得希望者が具体的に想像しやすいよう資料を残しました。

▼会社にシェアした資料の一部の画像

Q:ロールモデルが少ない中、そのような体験の共有は大変貴重だったでしょうね。取得中は具体的にどのように過ごされていましたか?

最初の1カ月は、朝昼夜のご飯の準備に加え、上の子が2才だったので、朝ご飯の後に軽く勉強させ、その後、近くの公園等に連れて行っていました。ちょうどコロナの時期で、大きな公園やモールの遊び場等は使えなかったので、公園か自然の中に連れて行くことが多かったですね。

その後、昼前にスーパーへ行き、お昼ご飯と食材などを買い、昼食の後は上の子のお昼寝時間だったので、その間だけ読書したり自分の時間を過ごせました。15時くらいから夕飯の準備と上の子のお散歩に行き、夕飯後はお風呂と寝かしつけ、22時くらいからようやく1人の時間というスケジュールでした。

▼阿部さんの育休中の標準的なタイムスケジュール

8時: 起床、朝ごはん、着替え
9時 :英語など30分程度の長男向け座学
10時:公園へ(ママ友達と砂場で雑談、同じ年くらいの子と遊ばせるなど)
11時:スーパーへ食材や昼ご飯の調達
13時~15時:お昼寝 (パパは勉強タイム)
15時:夕飯の準備や夕方のお散歩
19時:夕飯
20時:お風呂タイム
21時:寝かしつけ
22時~:リラックスタイム

※育休後、社内にシェアされた資料より抜粋

Q:ほんとうにこれを見ると育休は家事の連続ですね。取得した率直な感想は?

家事もそうですが、今まで妻に頼っていた部分がとてもハードワークなのだということを実感しましたね。そして、育休の後半は、妻が夜ご飯を作ってくれるようになり、とても楽になりました。

また、2才の上の子の世話をする中で、朝からずっと子供と一緒にいて、公園ではママ達と会話することが増えて、スーパーの特売情報(!)や幼稚園、子供が好きな番組やDVD情報などなど、砂場で得た知識は相当増えました。

Q:砂場トーク!仕事では絶対に手に入らない知識ですね。ちなみに、収入面はどうでした?

出社しないので、ランチ代や飲み会代などが必要なくなり、収入が減っても特に支障はなかったです。また、産後すぐですので、遠出することもなく、ベビーベッドは同僚から借りたほか、2人目なのでベビーカーやチャイルドシートなど大きな出費も必要なかったというのもあります。2カ月後にしか給付金入ってこないようなデメリットはありましたが、そこも同僚に聞いていたので準備はできていました。

Q:取得後、仕事スタイルへの影響は?

それまでは、仕事後のお風呂や寝かしつけ、週末の半日ずつくらいの子供の相手を行っており、それで育メンだと思っていましたが、育休を取得し、毎日公園へ行ったり、雨の日は公共施設に連れて行ったり、お昼寝の時間だけが自分の自由時間(家事が片付いてたら)・・・という状況で過ごすと、小さい子を持つママ達の大変さへの意識が大きく変わりました。
街を歩いていても、だっこ紐で買い物袋下げているママを見ると、頭が下がります。。

仕事については、コロナ禍で在宅勤務が続いていることもあり、夜のゴールデンタイム(夕飯、お風呂、寝かしつけ)の時間までには、なるべく終われるようにしています。ゴールデンタイムの時間帯の大変さも育休取得したことで気づけたと思います。

Q:これから取得する人アドバイスするとしたら?

家族構成にもよると思いますが、取得したパパのタイムテーブルなんかがあると、参考になると思います(前段の阿部さんのタイムテーブル参照)。特に2人目の場合は、上の子の世話と、産後ママのケアが中心になるので、事前にシミュレーションしておくといいと思います。

育休中は子供とずっと一緒にいられて、短い時間でも変化してくのが分かります。是非貴重な時間を一緒に過ごしてみてはどうでしょうか。

 

(編集後記)

 阿部さんは、私と同世代ということで、勝手に親近感を持ってインタビューさせて頂きましたが、砂場でママ友から特売情報を入手するなど、家事で忙しい中でも育休を満喫された感が伝わってきました。育休中は、資格取得の勉強などできるかな、と事前に思われていたそうですが、実際は家事に追われていたエピソード等、本当に同感です。また、ロールモデルとして、会社の後輩たちに体験をシェアされたことも素晴らしいなと感じました。阿部さんの「天使年齢」というワードがまさに言い表している2歳児とずっと一緒にいた体験は、何物にも代えがたいと思います。お忙しい中、インタビュー、どうもありがとうございました!!