パパインタビュー

【第13回】育休は家族の大切さが分かるマインドセットの機会。同僚の気持ちの理解や会社で働く意欲、モチベーション向上も~(岩田屋三越・酒瀬川 瞬さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第13回 パパインタビュー

  • 取得者:酒瀬川 瞬 (さかせがわ しゅん)(勤務先:株式会社岩田屋三越
  • インタビュアー:FJQ 樋口

ついにこの10月から、産後パパ育休の制度改革を伴う改正育児・介護休業法が施行されました。TVや新聞でも特集が見られるようになりましたね~

さて、今回、育休インタビュー初の百貨店業界の酒瀬川さん。岩田屋三越で、ファッション&ライフスタイル三越新規創造営業部という部署に所属され、店舗のブランド入れ替えやフロアのリモデルを担当しておられます。ちょうど1年ほど前の2021年9月から、長女の出生に合わせて1か月の育休を取得されました。

Q:取得の主な目的は?

育児の心構えを身につけたいと思ったのがきっかけです。そういった経験があれば復職してからも働き方が変わると考えました。

Q:取得に当たり、職場に根回し等は行いましたか?

はい。妻の妊娠が分かってから、まずは上司に、安定期に入ってから同僚や取引先、人事へ相談を開始しました。

Q:取得の調整は大変でしたか?

取得開始まで準備期間が5カ月ありましたので、取引先へも「1か月不在にします」と調整し、属人的に行っていた仕事も同僚へ引き継ぎを行い対応することができました。今の部署は新規開発系で、7名のチームなので、業務量も事前に調整を行えばコントロールすることができました。

また、当社で私は男性としては初めての取得でしたが、女性の多い職場なので、育休取得に当たってあまり違和感を持たれることはありませんでした。百貨店という職業柄、次の時代を発信していくようなところがあり、男性育休という新しいライフスタイルにも理解があったと思います。

Q:なるほど!新しい生き方を提案するような職場風土と相性が良かったのですね!取得中の奥様との役割分担はいかがでしたか?

妻は出産後、体を休める必要があったため、育児、洗濯などの家事全般を担当しました。

Q:取得した率直な感想は?

取ってよかったと思います。育児に関し、妻と同じ目線で子供と向き合え、子育ての意識も妻と格差なかったことは大きかったです。乳幼児期の子供に向き合えるのはこの時しかなく、子供への愛情も深まりました。また、取得後は会社内で男性の同僚から相談を受けることが増え、今後、3名が男性育休を取得予定で、喜ばしく思います。

Q:収入面はどうでした? 

実は当社では、毎年有休を積み重ねられる「ストック有休」制度があり、今回、1カ月の育休はほぼ有給で取得したので、給与面は問題になりませんでした。

Q:取得後、仕事スタイルへの影響はありましたか?

仕事面での責任感が強くなり、時間にメリハリをつけた働き方をするようになりました。フレックス制を取っているので、残業もあまりなく、柔軟に仕事を行えています。

Q:これから取得する人へアドバイスをお願いします。

是非取得してほしいと思います。この時期の家族との大切な時間を過ごせるのは今しかありません。育休のメリットとして、私は3つあると思います。

1つは、家族の大切さが分かるマインドセットの機会。2つ目は、同じく子育て期の同僚の気持ちが理解できるようになり、共感力、対応力が身につくこと、3つ目は、会社のおかげで取得できたので、会社で働く意欲、モチベーション向上にもつながるということです。

 

(編集後記)

多くは語らないが着実に自分の言葉で取得の想いを語って頂いた酒瀬川さん。最後におっしゃった3つのメリットは、とても共感できる内容で、「育休は家庭内留学であり、そこで得たスキルは会社に戻っても大いに役に立つ」という我々NPOで提唱していることとも大いに重なると感じた次第です。ファッション等、時代を先取りする立場にある百貨店なので、男性育休に対してもあまり違和感を持たれないというお話も印象的でした。是非、今後も最先端のワークライフを店舗の現場から発信頂くことを期待しております!