企業/自治体インタビュー

【第11回】「家族と自分の健康を守る。無理をして仕事をしない。チームで助け合う」が会社の信条。育休復帰後の社員は今まで以上のパワーを発揮してくれる(株式会社エーワン)

第11回 インタビュー

今回の男性育休推進企業インタビューは、佐賀県伊万里市で商業デザインや印刷事業等を手掛けておられる従業員数10名の株式会社エーワンさんです。同社は、2022年に、第16回のパパインタビューでお話を伺った片桐さんのお勤めされている会社でもあります。今回、代表取締役の真崎社長にお話をお伺いしました。

  • 企業名:株式会社エーワン 代表取締役 真崎 俊夫(まさき としお)様
  • インタビュアー:FJQ 樋口

Q:これまで御社でどのように男性育休推進に取り組んでこられたか教えて下さい。

エーワンの親会社に、株式会社音成印刷という会社があり、私はそこの会長もしているのですが、おとなり印刷では従業員42名の半数以上が女性であり、結婚等のライフイベントで会社を離れてしまうことなく働いてほしいという思いから、以前から育休取得を推進していました

とにかく、大事な従業員が辞めなくて良い会社を作っていきたい、と取り組んでいたのですが、数年前に、片桐さんから「男性育休を取得したい」と相談があったことは、会社としても、この機会に男性社員の育児ニーズに気づくことができたので大変良かったと思っています。

Q:男女ともに働きやすい環境を追求されているのですね。社員の働き方について社長が大事にされていることを教えて下さい。

縁あって雇用している社員なので、子育て期など人生が平たんでない時こそ、バックアップしていき長く働いてほしいと思います。クレド(企業全体の従業員が心がける信条や行動指針)を会社で朝礼の際などに唱和するのですが、その中に、「家族と自分の健康を守る。無理をして仕事をしない。チームで助け合う」というものがあり、チームワークを通してお互いを助けていくことが重要であると常に発信しています。

Q:クレド、素晴らしいですね。社員からの反応はどうですか?

朝礼の際などに私から一方的に言うだけでなく、社員から感想を言ってもらいます。そうやっているうちに、社員にも一体感がでてきているようです。当社は長く働く社員が多く、勤続年数によって表彰も行っています。

↓チームの業務効率化と働き方改革を推進するための「カエル会議」風景

Q:これまで男性育休を取得したのは片桐さんだけということですが、今後の展望を教えて下さい。

まだ20代の社員が多く未婚の人もいるため、今後かなと思いますが、先日は社内婚の夫婦に今後子どもができるため、妻の方が産休育休の取得を行う、との報告がありました。いずれにしても、男女ともに子育てしやすい会社を追求しています。

Q:男性育休取得による会社にとってのメリット・デメリットを教えて下さい。

短期的には従業員が減るのでデメリットかもしれませんが、長期的なメリットは大きいと思います。1つは、「お互い様」の文化の醸成です。社員同士が仕事を補い合う風土がでてきています。2つ目は、復帰後の社員が今まで以上のパワーを発揮してくれることです

これはお互い様の文化によるものと思いますが、これまで支えてくれた社員に対しての感謝の気持ちの表れと思います。つまり、育休取得は社員の成長につながるといっても過言ではないです。育休後に時短勤務になった社員も、育休前より成果を出すようになったりしています。

Q:社内で男性育休取得を推進していく上での課題感について教えて下さい。

課題は特に思いつかないですね。もちろん、社内に余剰人員がいる訳ではないのですが、皆が頑張ることにより、誰かが抜けても誰かが成長して補い合ってくれています。会社は従業員の家族のためにある、と常に発信しており、皆それをよく分かってくれていると思います。

また、実務面では1人3役的な多能工化を進めたり、2~3人のチームで常に情報共有しながらプロジェクトを進めたりしていることも、お互いの助け合いをやりやすくしています

Q:最後に、男性育休取得について一言お願いします。

男女問わずですが、困っている時にサポートすることは、デメリットよりメリットが大きいので、介護などもそうですが、会社が理解をすることが大事と思います。結果、「利他」の気持ちが社内に広がれば、社員の成長につながるので。

 

(編集後記)

インタビュー中、終始、笑顔でご対応いただいた真崎社長。「復帰後の社員が今まで以上のパワーを発揮してくれる」と、さらっとおっしゃいましたが、その前提には、利他の精神の従業員全体への浸透があるのだ、というのがインタビューを通して、しみじみと理解できました。これから若い男性社員の皆さんの中で、結婚・育児と進んでいかれる方もおられると思いますが、ともに支え合い成長し合える関係を作っていかれることを期待しています。