11月19日は「男性国際デー(International Men’s Day)」。男性の健康やウェルビーイング、そしてジェンダー平等を考える日です。講演では家庭内性教育が抱える課題と、特に男の子への伝え方について、家庭や社会がどのように関わるべきかが語られました。
「性教育」と聞くと身構えてしまう方も多いでしょう。しかし、伏田さんは「頑張らなくていい、日常のコミュニケーションです」と優しく語りかけます。
日本の家庭内で性に関する話題の担い手が母親に偏りがちであるという現状です。父親の関与は限定的であり、特に思春期以降、性に関するコミュニケーションを家族と取らなくなる男子が急増するという「大きな壁」が存在します。
伏田さん「性教育=思春期に教えるもの」という考え方を問い直しました。性教育は本来、からだの仕組みだけでなく、命や感情、そして他者との関わりを学ぶ“生き方の教育”です。乳幼児期から少しずつ始まり、日常の中で続いていくものだといいます。
特に男の子は、社会の中で「強くあれ」「泣くな」といった無意識の期待を受けやすく、それが時に感情を抑えたり、支配的な行動を正当化してしまう背景にもなり得ます。だからこそ、男の子にも「自分も他者も大切にする感覚」を育む性教育が欠かせません。
講演では「包括的性教育(Comprehensive Sexuality Education)」の視点が紹介されました。これは、性の知識だけでなく、「心と体の境界線(バウンダリー)」「同意(コンセント)」「感情の扱い方」などを学ぶ教育です。家庭でも、嫌がるスキンシップを無理にしない、子どもの気持ちを尊重する。そんな小さな関わりが、他者への思いやりを育てます。
性教育は“問題を防ぐため”ではなく、“よりよく生きるため”の学び。男の子も女の子も、自分らしく安心して生きられる社会のために、家庭から始まる対話こそが第一歩です。
性教育は、特別な時間や特別な話ではありません。子どもが性に関する質問をしたとき、「いい質問だね!」「一緒に考えようか」と子どもの成長を承認し、日々の会話の中で命と体を語り合う姿勢こそが、最も効果的な性教育なのです。
参加者の声
子どもへのアプローチの仕方とタイミング、根底にあるのは子どもとのコミュニケーションを取り続ける関係性の構築なんだなと改めて学ばさせていただきました。
今後もこういうことを1人や家族だけでなく、みなさんと共に考えて向き合っていきたいと思います。(40代男性)
今回の講演に参加して、本当によかったと思っています。私自身、これまで性教育をきちんと受けた記憶があまりなかったため、どの内容も新鮮で大変学びの多い時間となりました。
講演を聞いて、「子どもの頃にこの内容を全部学べたらよかったな」「自分の子どもにもすぐに伝えたい」と思いましたが、同時に「子ども自身が、誰から、いつどのように学びたいか」という視点も大切だと気づかされました。焦らず、子どものペースや気持ち、タイミングを尊重しながら、じっくりと関わっていきたいと思います。(30代男性)



木佐貫純司
山中啓一郎
馬場義之
高橋建二
樋口一郎
小森茂弘
中島宏昭
杉山拓人
早田宝得
吉村伊織
森島孝
谷口忠
佐々木基之
岩永 真一
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