活動レポート

【レポート】7/8(木) 男性産休・男性育休、待ったなし!FJQ緊急フォーラム

FJQママ会員のみねせりかです。

6月に可決・成立した改正育児・介護休業法を受け、男性産休・男性育休を考える緊急フォーラムを開催しました。

会場とオンラインの同時開催で、80名ほどの方にご参加いただき、男性産休・男性育休への関心の高さを感じます…!

FJ理事の塚越氏は、オンラインでの登壇。
今回の法改正までの経緯やポイントなどを教えていただきました。

令和時代にパパになる新入社員たちの8割は、育休取得を希望しています。
けれど、平成時代を支えてきたボスたちとの感覚との乖離は大きく、このギャップを埋めるためにも法整備は急務と考えられてきました。

法改正に先んじて取り組まれた国家公務員男性育休1ヶ月取得の促進では、適用対象者の例外を認めず、警察・消防・救急・自衛隊も対象としたことで、定着を見せ始めているとのこと。

今回の改正法には、現行法から多くの変更点が見られます。
そのひとつが、いわゆる「男性版産休」と呼ばれる、出生時育休の新設(子の出生後8週間以内に4週間まで取得可能な育児休業)。

これに加え、事業主の措置義務化(「まさか取らないよね?」はナシ!)、大企業の公表義務、育休の分割取得可能に(女性も!)…と、実はかなりパワフルな法改正!

けれど、せっかく法や制度が整ったとしても、現状を大きく変えるためには十分ではありません。

ファザーリング・ジャパンの実施した「隠れ育休調査2019」によると、男性が育休取得しやすいと感じる条件・環境のトップ2は、上司の後押し&会社の後押し!

男性産休・男性育休の鍵を握るのは、企業やボス…ということは明確ですね。

塚越氏の講演に続くトークセッションには、経営者や育休取得者を含む、様々な立場の5名が登壇。

FJQファウンダーのおひとり・小津さんのファシリテートのもと、あらゆる角度から男性産休・育休を語り合います。

「元祖イクボス」FJの川島氏は、企業にも、自治体にも、パパたちにも、「今やるか?やならないか?の岐路に立っている」ことを伝えます。

VUCAな時代を生き抜くためにも、男性産休・育休を社会全体で推し進めていくのは、必然の流れだと痛感しました。

「腹八分目の受注」や「2割は仕事以外のことをせよ」というのは、川島氏自身がボスとして心がけてきたこと…ここには、男性産休・男性育休を定着させるための大きなヒントがあるなと思いました。

九州のダイバーシティと言えば!「株式会社サイズラーニング」の高見社長は、「男性育休に否定的な企業は、男性へのリスペクトが足りないのでは?」と話されました。

育休取得しやすい環境を整えることは、「コストではなく投資!」「非効率ではなく先手!」という言葉、とても印象的でした。

社長だけでなく、メンバーもその感覚を共有されているということも、とても大切なポイントになるのかなと感じます。

女性育休&復職率100%、男性育休取得事例もある「株式会社リサーチ アンド ソリューション」美濃部社長からは、実感のこもったお話を伺うことが出来ました。

中でも、実体験を踏まえた企業側のメリット(業務効率化、エンゲージメント向上、離職率低下、採用コスト減…!)は、「男性産休・育休…どうしよう…」と考えられているかもしれない経営者やボスの皆様にも、嬉しい情報だったのでは?

男性育休推進のきっかけは、社労士さんや女性社員たちからの後押しだったというお話。

男性社員が産休・育休を取得するときに上司や企業の後押しがあると取りやすいのと同じように、経営者もメンバーの後押しを受けることで覚悟を決めやすくなるというのは、新たな気づきでした。

「今後ますます男性育休取得者を増やしていき、ひいては様々な事情を抱える社員をケアできる環境を整えていきたい」とお話しいただきました。

「美濃部社長の会社で働きたいです…(笑)」と本音を漏らすのは、育休取得者を代表して登壇したFJQ理事の早田さん。(早田さん、私もです!)

産褥期のパートナーを気遣い、家事育児の全てを担った早田さんは、「育休は、休みじゃなくて修行だった…」と話します。

育休取得することで、育児という役割が増え、結果的にタイムマネジメント力がぐっと向上し、育休明けには磨かれた段取り力で短時間勤務をこなし、パパ業との両立を達成されていました。

FJQ共同代表の森島さんは、「育休は、家事と育児を両立するための準備期間」と話します。

「以前は、仕事一筋がかっこいいと思っていた…」とかつてを振り返りながら、子どもと触れ合っていく中で醸成されてきた関係性が、お子さんが思春期に入ってきた今にもつながっていることを伝えます。

「子どもとの時間を捻出するためにどうやって時間確保しようかと考えがシフトした。男性育休は、ワークライフバランスのスタートになる」というお話が、とても印象的でした。

約1時間のトークセッションは本当にあっという間で、もっと聞きたい!もっと話したい!熱気をそのままにタイムアップしました。

男性産休・男性育休の流れは、「待ったなし!」のところに来ているなと感じます。

乗り越えていくべき課題は山積かもしれませんが、フォーラムでは、企業にとっても、取得者やその家族にとっても、自治体にとっても、ひいては社会全体にとっても…、ポジティブな話題が満載でした。

より多くの方に、「男性産休・男性育休、実はいいものなんだよ」ということ、ぜひ知っていただきたい!と、思いを新たにしました。

FJQは、男性産休・男性育休の普及・促進のために、これからも継続的に様々な活動を行っていきます!