吉村伊織コラム

一生懸命はカッコいい〜次男の試合観戦記〜

※このコラム記事は、吉村伊織さん本人のnote記事を転載したものです(タイトルのみ編集)

世間で変な噂が飛び出し、小学生の三男があれこれ言っていた7月最初の週末は、我が家にはそれどころではない2日間であり、思い出と教訓が刻まれた2日間だった。
中学3年の次男にとって、部活の最後の大会である中総体の2日間。
特に最後の瞬間は、ずっと忘れないと思う。

種目はソフトテニスで、各学校の子どもたちはダブルスの個人戦とペア3組ずつの団体戦で対戦する。
次男は、団体戦のレギュラー組には選出されず、個人戦と準レギュラー組の団体戦に出場した。個人戦は、初日の1回戦はファイナルゲームまでもつれ込んだ末に粘り勝ちしたものの、残念ながら2回戦で敗退。
それでも、初戦を勝ち抜いて嬉しそうな表情を見ることができて、それが嬉しいよねと妻と話していた。最後にあんなドラマが待っていたなんて思わずに。

 

準レギュラー組の団体戦は、2日目の最後の時間帯に実施された。レギュラー組の団体戦も個人戦も終わった後だから、おまけと言ってしまえばそうなるかもしれない。でも、出場する選手たちは、誰も手抜きはしていない。ほとんど日陰のない炎天下で2日間動き続けていたから、当然疲れのピークを迎えていたはずだけど、早く負けて終わらせようとする姿はどこにもなかった。
そんな中で、次男たちのチームは初戦も次も勝ち進み、なんと決勝進出。それだけでも今までにない好成績だ。応援する親としては、最後も勝ってくれたらもちろん最高だけど、準優勝でも十分頑張ったと言いたくなる。

次男たちのペアは、3番手。
全ての日程の最後の試合だから、対戦相手の学校も含めてみんなが見守る中での対戦だ。長引く試合が多く、昼間は痛いくらいだった日差しがすこしやわらいだ頃で、時計の針は19時近くになっていた。
試合の最初は、やや押され気味。ミスも重なって、あっという間に最初のゲームは取られた。気を抜けばその瞬間に負けが確定しそう。だけど、諦めてなかった。
なんとかファイナルゲームまで持ち込んで、正真正銘の最後のゲーム。

7ポイントを取れば勝ちとなる試合で、先に3ポイント取ったのは相手チームだった。でも、そこから3対2、3対3と追いついたあたりで、流れをつかんだのを感じる。

6ポイント先取して、あと1点という局面。
次男のサーブに対して、相手チームのレシーブ。
ふわりと上がったボールに、前衛の相方が思い切りラケットを振る。
見事なスマッシュが相手コートに決まって、試合終了。

その瞬間の、ガッツポーズと、拍手と、怒号のような歓声は、今思い出しても込み上げるものがある。

準レギュラー組だからその先の市大会はないけれど、これ以上ない終わり方だった。

 

試合が終わってからの、顧問の先生の言葉も心に残った。

「一生懸命は、カッコいい」

思春期の中学生男子だったり、あるいは大人になると、一生懸命なんてダサくてカッコ悪いって言う人もいる。
そんなことはない、一生懸命はカッコいい。
その姿に感動するし、周りは応援したくもなる。
中学校の部活で、それを感じてくれたら嬉しい。

先生の言葉が子どもたちの心に響いてほしいと思うと同時に、僕たち大人もそうだなと思った。
仕事もそうだし、家庭のことや地域のこと、趣味だってそう。
マラソンも、サッカーも、野球も、山登りも、料理や旅行や勉強も、誰かと遊んだり、時にはバンド活動も、一生懸命に取り組むのは僕はカッコいいと思うし、自分もそうありたいと思う。

父親だから、母親だから、子どもが小さいから、仕事が忙しいから。
いろんな理由があって、それぞれに制限があったりするけれど、グチを言い続けて自分からは何もしないような生き方は、カッコいいとは言えない。

子どもたちがあんなにカッコいい姿を見せてくれたんだから、大人こそ一生懸命でカッコいい姿でいたいと思わせてくれた。