馬場義之コラム

父親も「子育ての主人公」に ―仲間とつながり、子どもと笑顔を育てる―

ファザーリング・ジャパン九州理事の馬場です。

先日、久留米大学大学院で助産学を学ぶ学生さんたちに向けて、「自助グループによる子育て支援ネットワークの実際 ~もし父親がパパサークルを立ち上げたなら~」というテーマでお話しする機会をいただきました。

これから母子を支えていく立場にある学生さんに、父親が子育てで直面する現実や、仲間とつながることで得られる支えについて伝えることは、とても意義深いことだと感じました。

「子どもとどう接していいかわからない」「家では肩身が狭い」――そんな思いを抱える父親は、意外と多いのではないでしょうか。

仕事と家庭の間で揺れ動き、相談できる相手もいない。「父親って孤独だな」と感じたことが、父親サークルを立ち上げたきっかけです。

最初は数人での座談会から始まりました。農業体験やキャンプ、写真講座など、父親と子どもが一緒に楽しめる企画へと広がり、延べ460人以上の父親が参加してくれました。参加者からは「安心して話せる場所がある」「子どもと新しい体験ができて嬉しい」といった声をいただいています。

活動を続ける中で実感するのは、父親自身も支えを必要としているということです。家事・育児に関わる時間は増えているものの、まだまだ母親に比べると大きな差があります。男性の育休取得率は40%を超えましたが、実際に長期で取得している人は少ないのが現状です。

それでも、一歩踏み出した父親の関わりは、子どもに大きな影響を与えます。たとえば長男と行った釣り体験。親子で大量の魚をさばいた経験がきっかけで、彼は料理に夢中になり、今では調理師を目指しています。父親の関わりが、子どもの未来をそっと後押しすることもあるのです。

子育ては母親だけのものではありません。父親だって主人公になっていい。むしろ、父親と母親がそれぞれの強みを活かして子どもに関わることが、家族の幸せにつながるのだと思います。

ファザーリング・ジャパン九州では、そんな「子育てを楽しむ父親」が増えることを願い、活動を続けています。やがて「育児しない父親の方が珍しい」と言われる社会が当たり前になるように。一緒に楽しみながら子育てしていきましょう。

そして学生の皆さんには、未来の現場で、母親だけでなく「父親の気持ちや関わり」にもそっと寄り添っていただけたら嬉しいです。