活動レポート

【レポート】3/26・27「FJQ10周年記念🎉ファザーリング九州フォーラム」を開催しました!(動画あり)

3月26(金)27(土)、福岡市ボランティア交流センターあすみんにて、「FJQ10周年記念🎉ファザーリング九州フォーラム」が開催されました。

FJQ10年記念🎉「ファザーリング九州フォーラム」特設ページ 日時: 【初日】2021年3月26日(金)14:00〜16:30 【二日目】2021年3月27日(土)10:30〜16:...

FJQ10周年を記念して、ファザーリングジャパン代表理事安藤哲也氏、理事
小崎恭弘氏をお招きし、FJQ立ち上げメンバーであるFJQファウンダー宮原礼智氏、小津智一氏をはじめとして現理事や若手メンバーが多数集うフォーラムとなりました。

今回は、あすみんでの会場参加と共に、zoomウエビナー形式によるオンライン参加もあり、全国のファザーリング・ジャパンの皆さんが参加してくださいました。

【1日目】3月26日(金)テーマ「企業が考える男性育休&産休のカギ」

◎挨拶:ファザーリングジャパン九州共同代表 森島孝氏

FJQは1年前に10周年を迎えていましが、コロナの影響でイベントは行えず、実際は11年を迎えています。これまで啓発を中心に行ってきましが、これから個々のつながりをもっと大切にしたい、特にこれからお子さんが生まれる方へアプローチをし、ファザーリングのノウハウを伝えていき、笑っている父親を増やしたいと考えています。当事者であるパパが頑張ることも大事ですが、周りの環境が大切なので、このフォーラムを通して、企業・行政の方々にどんなサポートを望んでいるのかを知って欲しいと思っていますと、挨拶より熱い思いが語られました。

【第1部】講演

◎演題:男性育休&産休のカギを握るイクボスとは
◎講師:NPO法人ファザーリングジャパン代表理事 安藤哲也氏

まずは、FJQ10周年おめでとう!
ファザーリングジャパンを15年前に立ち上げ、11年前に最初の支部を作ろうとなった時、難攻不落なイメージがある九州男児を育児に積極的な男性に変えれば、全国的に大きな波及効果が望めると考え、まず九州支部を立ち上げる事となったそうです。

男性産休という新しい制度ができたが、制度より風土を変える事が大切であり、風土を変えるキーパーソンがイクボス!!

まず、ファザーリングとは、父親であることを楽しもう!という事であり「良い父親ではなく、笑っている父親になろう!」というFJ、FJQの基本理念が語られました。

現在のパパ世代には、育児に参加することは当たり前という意識が根付き始めています。しかし、現在の父親の悩みとして、仕事が忙しく子どもと関わる時間が取れない事から、子どもとの、パートナーとの向き合い方がわからず、家庭がホームではなくアウェイになってしまっている状況があるのです。父親であることはせっかく頂いたチャンスです。社会の重要な資源である子どもを育てることは、プロジェクトXとも言えるものであり、期間限定なのです。 また、意識と共に働き方を見直していく必要性があります。母親の産後うつなどの状況は厳しく、父親の役割の大切さを鑑みた時、企業にもその大切さを理解して欲しいのです。

男性育休は、ボーリングの1番ピン!父親が変われば社会が変わる
少子化対策の切り札は、男性の育休取得

少子化対策大綱第が2020年に閣議決定され、2025年の男性育休取得率を30%に定めました。これは、育休を取らせる事業所側の義務化であり、取る側は取得しやすくなるということです。男性が育休を取ることは、ボーリングの1番ピンと言え、家庭、職場、社会課題へと大きく影響していきます。男性が育児することの社会的成果をみんなが理解して支えていく環境を作っていくことが大事であり、それぞれの職場で行っていくのが「イクボス」なのです。

イクボスプロジェクト

男性育休の取得促進で企業にもたらされるメリットは、沢山あります。これからは、育休取れない会社は選ばれない時代がやってきそうです。育休は、福利厚生ではなく経営戦略と言えるのです。
イクボスは、キャリアとライフの両方を応援し、自立型社員の育成をし、組織としての業績も出しつつ、ボス自身もライフを楽しんでいく上司のことを指します。行政と民間で一緒になり、キーパーソンがイクボス宣言をすることで、ポジティブな変化が起き始めています。

父親が変われば家庭が変わる、地域が変わる、企業が変わる、そして、社会が変わる

今、私たちは、大きなパラダイムシフトに直面しています。選んでいけばいい天秤型の生き方から、「仕事も家庭も」などの寄せ鍋型の生き方へ転換、ライフデザインの見直しが必要となります。手段として働き方を変えることで、生き方を変えるという目的を叶えていきましょう。

【第2部】講演

◎演題:取るだけ育休にしないための夫婦会議のすすめ
◎講師:夫婦会議アドバイザー(Logista株式会社 共同代表) 長廣百合子氏(妻)、長廣遥氏(夫)

第2部は、夫婦会議アドバイザーのご夫婦、長廣ご夫婦による夫婦会議、夫婦での対話の勧めのお話でした。

子ども達のためにより良い社会を作っていきたいという思いから、最初に触れる社会である家庭をより良いものにしていきたい、そのために夫婦の対話が大切になってきます。
妊娠・産後・育児期に夫婦会議を提案する理由として、母子の命の危機回避、産後離婚の危機回避、仕事と家事・育児の充実、子どもの対話力の礎という大きく4つのことがあげられます。取るだけ育休にしないために何が必要か?と考えた時に、パートナーとよりよい未来に向けて「共通価値の創造」が必要です。2人の間で共通言語となるまで、対話を重ね、「わたしたちとしての答え」になるまで徹底的に話し合い、行動をしていって欲しいのです。

夫婦会議と言っても、はじめから夫婦で上手に対話できるわけではなく、コミュニケーションには、段階があり、会話→議論→対話と進んでいきます。対話は、価値観の違いを尊重しながら、お互いに納得のいく結論を導き出すコミュニケーションの場です。お互いを信用して言葉を交わせるようになるのは、魔法ではなく、積み重ねなので、夫婦会議を習慣化することで対話の質を向上させていくことができるようになるのです。

【第3部】トークセッション

◎登壇者:
・安藤哲也氏
・長廣ご夫妻
・株式会社サイズラーニング 代表取締役 高見真智子氏
他、男性育休経験者
・モデレータ 森島孝(FJQ共同代表)

第3部はトークセッションでした。安藤哲也氏、長廣ご夫妻、サイズラーニングの高見真知子氏、男性育休経験者も参加し、モデレーターを森島孝氏が行いました。

育児休業の義務化を企業はどう捉えればいいのか?

企業の捉え方として、女性の育休には当たり前でも男性の育休にはまだ抵抗が大きい現状があるようです。職場における禁煙・週休2日制・女性の育休なども20年ほどの時間をかけ変わっていったので、男性育休も色々な社会問題を解決していく糸口となることで、転換点を迎えていくと思われます。これをチャンスと捉え、取り組む企業が今後伸びていくことになるでしょう。これは、大手だからできるのではなく、働き方の本格的な見直しをすることで、生産性を上げ、組織の在り方に気づけるチャンスでもあります。

取らせる側の世代は、どんな気持ちで育休産休を進めるのか?

自分たちが苦労してればしているほど、次の世代には仕事だけじゃない未来を渡さなければならないし、育休だけではなく介護などすべてにつながるという意識を持って欲しいです。イクボスは、育児の人だけじゃなく色んな人を応援し、リカバリーし合えるようなチームマネージメントをして欲しいと考えます。

夫婦間だけではなくチームを考える上でも対話が大切です。誰もが自分らしく生きられる社会に、大切なものを大切にしていける社会にしていきたいですね。

 

【動画】トークセッション

【2日目】3月27日(土)テーマ「男性の産前産後に必要なことをみんなで考える」

◎挨拶:ファザーリングジャパン九州共同代表 森島孝氏

2日目は、当事者と当事者をサポートする人たちのためのセミナーであり、育休を社会が取れと言うから取るのではなく何のために取るのかを理解して欲しいし、育休を取るのが当たり前の社会にしていきたいとの挨拶がありました。

【第1部】セミナー

◎演題:父の育休と産後ケア
◎講師:合同会社てのひらのゆりかご代表、九州産前産後ケアネットワーク発起人
かどたにまい氏

出産後の身体は、全治1か月の事故にあったと同じ!

大きな衝撃を受けているし、見えないけど子宮の中には手のひら大の傷があり、多くの出血をしているのです。痛いしきつい!ホルモンバランスが崩れて精神状態も悪くなってしまいます。病気ではないので特効薬があるわけではなく、しっかりと体と心を休めることが大切なのです。

産後30日の間にもママがすることは沢山あるのに、おっぱい、おむつ、抱っこしかできなくて、家事は何もできてないと落ち込んでしまうママが多いのです。そうではなくて、おっぱい、おむつ、抱っこが、どんなに大事なことをしているのかということ、おっぱいをあげることで安心感を与え、人生の基礎の基礎の大事なことを教えているのだと知って欲しいのです。

共感・体調を見守る・チームになる

他にするべきこと、育児家事は沢山ありますが。男性産休の中でパパが行うこともできるし必要ですが、家事代行を頼む事だって出来ます。本当に必要なのは、ママに対して、共感の姿勢で聞く、体調を見守る、チームになるということの方です。
「こうやってよ」など不満が出てきたら、妻からのラブレターと思いましょう。それはあなたにまだ期待しているという事で、まだスキ、あなたと子育てしたいのよというメッセージなのだと受け止めてみて下さい。
また、自分を満たすこと、自分のケアも忘れないで欲しい。それぞれ自分の人生をそれぞれの充足感をもって生きていくことが大切です。

育休を取られた方のお話

≪木佐貫さんの場合≫

最初はやる気満々だったが、自分が何も出来ないことを知った。
妻に「小言でもいいから言って欲しい」と伝えた。
一緒にやってみて、同じ目線になってわかってきたことがたくさんあった。

≪中島さんの場合≫

育休を取り、授乳以外はパパでもできるとやってきた。育休明けで復帰する時に、家事代行も利用した経験がある。家事も仕事も頑張っているがあふれてしまうものがあり、それを妻にやらせてしまっていいのかと思った。パパもこの大変さをわかっているからお金を出して家事をしてもらうことに抵抗はなかった。

チャットからの質問:育休取得中、奥さんにやって喜ばれたことは?

中島さん:子どもを連れて公園に行くなどママに一人の時間を作ってあげること、マッサージ、母乳のことで落ち込んだ時一緒に話を聞いて味方になったこと
木佐貫さん:話をちゃんと聞くこと。夜テーブルをはさんできちんと話した。話したことですっきりしたようだ。また、自分の時間をそれぞれが作ることと2人の時間を作ること、感謝の気持ちをちゃんと伝えること

【第2部】セミナー

◎演題:「部下ヂカラ」で産前産後の時間を勝ち取ろう!
◎登壇者:FJQメンバー(樋口一郎、木佐貫淳司、長野吉朗、馬場義之)

イクボスが企業・地域・社会を変えると考え、職場の上司にイクボスになってもらいたい、
育休復帰後、残業の多い部署へ移動などの事例もあり、業務改善の必要性を感じる、などから、部下としてできることはないのかを考え、部下ヂカラ出来ていった過程と「部下ヂカラ10箇条」について、樋口さんの実践を交えて、熱く語られました。続いてクロストークが行われました。

部下ヂカラ10箇条

  1. 連携
  2. コミュニケーション
  3. 見える化
  4. 予定先取り
  5. 改善提案
  6. 冷静
  7. 垣根越え
  8. ツール導入
  9. 自己分析
  10. 職務全う

 

【動画】部下ヂカラセミナー

【第3部】メインセッション

◎演題:九州における男性の育児家事のこれまで10年とこれから10年(FJQの展望)
◎登壇者:
・FJQファウンダー(宮原礼智氏、小津智一氏)
・FJQ共同代表(森島孝、川添祐樹)
・FJ理事(安藤哲也氏、小崎恭弘氏)
・FJQ若手(木佐貫純司、山中啓一郎、長野吉朗、早田宝得モデレーター)

登壇者の紹介がモデレーターである早田さんから行われました。前に並んだ皆さんの顔ぶれを見ると、FJから始まり、FJQを立ち上げたメンバー、現理事、そして若手のメンバーの皆さんと、FJQの歴史を感じました。

Back to the FJQ~FJQの10年を振り返る

まずは、2010年任意団体としての立ち上げの時からの写真や映像と共に、各年代の思い出と共にFJQが進んできた道が、振り返られました。

2010年4月4日あっぷっぷにて、FJ安藤代表立会いのもと任意団体として旗揚
九州パパサミット(この頃、沢山のTV取材)
2011年 阪急での絵本ライブや段ボールワークショップ(FJQを知ってもらう機会)
FJ全国大会に参加(全国に仲間がいる事を知る)
2012年 NPO法人となった、父子キャンプ(恒例となっていった)
2013年 北九州市にて、全国FJフォーラム開催
2014年 パパスクールを開講(福岡県委託事業)行政に信頼されるNPOへ
2015年 九州イクボスフォーラム
2016年 パパスクール城南が厚生労働省子ども家庭局長賞自治体部門優良賞を受賞
2018年~新しいメンバーが続々加入し、育児が当たり前の世代、30代が増えた
2019年 ワーキングファーザープロジェクト(アメリカ領事館でビールを飲む)
2020年 全国フォーラム、九州サミット
2021年 10周年イベントを行う

トークセッション

10年前の立ち上げ当時の自称オールドパパと最近加入してきたヤングパパのトークセッションは、とても興味深い内容でした。父親の家事育児への価値観が変わってきている現状もありますが、「良い父親であるより笑っている父親」という変わらない価値観に支えられ、それぞれがぞれぞれの家庭や仕事の状況の中、この価値観を学ぼうとし、広げようとし、ファザーリング=父親をすることを楽しみ、努力している姿が見えました。

若手の方が、FJは、包み隠さず教えてくれる、自分の地域にローモデルがいる事の有難さを発言された時、安藤さんが、「イクボスは商標を取らなかった。取ったら広がらないから。多様なパパが誰でも使えるようにしたかった。」と言われたことがとても心に残っています。ここに、父親であることを楽しみ、その楽しさを広げ、社会問題を解決していくことへの糸口にしていこうという大きな意図を感じました。

自分らしい父親であるためにはどうしたらいいのか考え、仕事にプライドを持ち、両立の大変さを味わい、地域を愛してきたFJのFJQの営みがあったからこそ、「父親の育児」という概念が、日本の社会に出来てきたのだと思いました。

10周年のイベントを行う事が出来、全国のファザーリングの皆さんも応援してくれています。新しいパパたちで盛り上げてワクワクを伝えていく、自分たちの経験をアウトプットしていけばいいのだと感じられた2日間でした。

 

【動画】トークセッション

(執筆:福島 洋子)

↓当日参加したメンバーによるレポートもぜひご覧ください

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