パパインタビュー

【第1回】育休は人生のターニングポイントであり、仕事人としての成長の機会。ただし、夫婦でのコミュニケーションはマスト(JR西日本:大村知之さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第1回 パパインタビュー

大村さんは、現在36歳。JR西日本で運転手兼車掌(男の子の憧れの職業ですね!)を務められている、笑顔が素敵なパパです。お子さんは4歳と1歳の男の子2人。次男君の生後3か月から7か月間、育児休業を取得されました。

Q:取得のきっかけは?

職場では、過去、10人弱の男性育休取得者がいて、男性社員でも取得しやすい雰囲気でしたので、私も取得したいなと考えていました。2人目の子供が生まれ、長男が幼稚園に入園するタイミングで取得を検討するようになりました。

Q:理想的な職場ですね!取得の主な目的は何でしたか?

主な目的は、次男が生まれ、長男の幼稚園の送り迎えが妻には難しくなったため、妻が次男の世話にかかりっきりになる時期に、自分が登園の役割を担いたいと考えたことです。職場では、取得経験者が多かったのですが、1週間など短期間の取得者が多く、私のように、7か月という長期取得は珍しかったので、驚かれはしました。

Q:そうなのですね。会社との調整で大変だったことや会社や上司の反応はどうでしたか?

私の職場は、シフト制の勤務なのですが、大まかに約90名でシフトを回していき、1か月前には割り当てがあるのですが、3か月前にくらいから職場には相談していたので、ネガティブな反応はあまりなく、「おめでとう」という反応もあり、大きな問題にはなりませんでした。育休を想像できない年配の職員に驚かれることはありましたが。

Q:奥様との役割分担はどんな感じでしたか?

妻は当初、完全母乳での育児を行っていたので、私は主に、長男のケアを行いました。途中から粉ミルクも利用することになったので、その場合は交代し、日中に妻に休憩してもらう間に次男の世話をするなどバランスを取っていました。

Q:長男君の赤ちゃん返りなどあったのでは?

ありましたね(笑)。やはり妻と長男の時間を作ることも大事ですね。その場合は私が次男を見ていました。

Q:取得された率直な感想はいかがですか?

コロナ禍で、外出がなかなかできなかったのは、きつかったですね。子供とだけ向き合う中で、正直精神的にきつかった時期もありました。コロナが少し収まった時期には気分転換に外出したりしていました。

Q:ぶっちゃけ、収入面はどうでした?

6か月目までは、通常の手取りより気持ち少ないくらいの状況でした。ただし、給付金が2か月に1度なので、収入予測と異なり、戸惑うこともありました。

(補足情報)
平成26年4月1日以降に開始する育児休業からは、育児休業を開始してから180日目までは、休業開始前の賃金の67%となりました(それまでは全期間について50%)。加えて、社会保険料が免除されますので、手取り感は上がります。

Q:取得したことで変わったこと、仕事スタイルへの影響はいかがでしょうか?

確実に、人生のターニングポイントになったと思います。これからの人生について、自分と向き合う時間ができました。仕事だけではなく人生全体を楽しまないと、と思うようになりました。職場内外の交流の範囲も広がり、人との付き合い方が変わったと思います。
子供との向き合い方も変わりました。ちょうどモンテソーリ教育を勉強する機会もあり、相手の立場に立って考えることが増えました。
仕事面でもプラスが大きかったですね。「なぜ、これをやるのか」という視点で考えるようになりました。

Q:これから育休取得する人アドバイスするとしたら?

妻から、これだけは言ってほしい、と言われているのですが(笑)、奥さんの要望と、夫が(育休で)やりたいことは違うということです。だから、しっかりと夫婦でコミュニケーションを取ってくださいと言いたいです。夫には、「なぜ取るのか」という目的を明確にしてほしいですね。
会社の後輩に対して、個々の人生の問題と思うので、普段積極的に育休を勧めることはしませんが、聞かれた際には、育児だけではなく、自分の成長のチャンスになるよ、と伝えています。
長期取得するメリットとしては、子供の成長に合わせてやることが分かり、例えば夜泣きの時期は、もうここで終わりだ、とか分かって余裕ができますね。

 

(編集後記)

オンライン初対面にもかかわらず、常に笑顔で対応頂いた大村さん、どうもありがとうございました。インタビュアーの私が5か月、大村さんが7か月ということで、育休時に孤独でへこんだ話題でも盛り上がり(笑)、大変楽しくインタビューさせて頂きました。仕事と家庭の往復の日常にはなかった、仕事とは何かを深く考える時間が得られた、というコメントは非常に参考になりました。是非、これからも、仕事も家庭も安全運行で、ご活躍をお祈りしています!!