パパインタビュー

【第27回】取得して良かったことは、平日の日中の子育てが思い通りにいかないことが分かったこと。夫婦でコミュニケーションを取り、どう育児を乗り切るか計画を立てることが重要(タカハ機工株式会社・中村優希さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第27回 パパインタビュー

中村さんは、飯塚市に本社を置き、経済産業省の新・ダイバーシティ経営企業100選にも選定されているものづくり企業、タカハ機工の社員で、同社の主力製品であるソレノイドの設計を担当されています。2人目のお子さんとなる次女の出産に合わせて昨年12月末から1か月の育児休業を取得されました。

Q:取得の経緯、目的は?

実は、現在も継続中なのですが、2歳の長女が保育園の待機児童になっており、妻の出産後に長女の世話をするために取得しました。

Q:それは大変ですね・・取得にあたって、職場にどのようにアプローチされましたか?

出産予定の数カ月前から上司への相談を行い、肯定的な反応を頂いたので、1カ月前から同僚に引継ぎを行い、取得に至ることができました。現在の設計の部門は技術職が3名おり、それぞれが別の案件を持っているのですが、自分の案件を他の方にお願いする感じでスムーズに引継ぎを行うことができました。社長も「いいじゃん!」という反応でした。

Q:取得中は主に何を担いましたか?

上の子のケアがメインで、加えて洗い物や洗濯を行いました。家事は以前からやっていたため、特段負担感はなかったです。

Q:育休中の標準的な1日の流れを教えて下さい。

午前中は洗い物や片づけを行い、昼ご飯を食べた後、午後は長女を連れて公園に出かけたりしていました。

Q:取得して良かったことと、大変だったことは?

良かったことは、平日の日中に子どもがどう過ごしているかを知れたことです。これまでは、仕事を終えて帰宅し、その時には子どもも落ち着いていることが多かったのですが、日中は子どもの感情の起伏も大きく、なかなか思い通りにはいかず「ああ、妻は今までこの対応を毎日やっていたのか」と気づかされました。

大変だったことは、良かったことと同じですが、子どもの行動はこちらの想定通りスムーズにはいかないと思い知ったことです。歩き回ったりおしゃべりをしたり、ずっと付き合っているとあっという間に1日が過ぎていくことが分かりました。

Q:収入面はどうでしたか? 

社会保険料や健康保険料が育休期間中は免除されることもあり、手取り感は8割を超えており、振込が普段より遅い点はありましたが、特段大変とは思いませんでした。

Q:取得したことで変わったこと仕事スタイルへの影響はありましたか?

(通常時から残業なく働ける会社なので)特段変わっていませんが、これまで、メールがたまった時は残業などしていましたが、定時で目途をつけて帰るようにはなりました。仕事も、上司と相談し、自分だけで背負い込まないようにしています。

Q:これから取得する人へアドバイスするとしたら?

とにかく妻とコミュニケーションを取って、してほしいことを詳細に聞いてほしいです。

Q:その他、育休制度に関するご意見等あればお願いします。

佐賀県庁が行っている「不取得理由書」等の取組が広がっていくといいなと思います。

Q:最近、FJQが提唱している「男性育休10か条」について感想等あればお願いします。

一番大事なのは、「1.夫婦コミュニケーション(育休計画を立てるにあたって、夫婦は一丸となった運命共同体であり、チーム。妻とのコミュニケーションを積極的に取り、妻の要望、希望を最大限叶えよう)だと思います!理由は他の条項の前提にもなっているなと感じたからです。資金計画や気分転換などはどうするのか、どう解決するのか、最終的には夫婦で話しあって答えを出すべきものだと思っています。

 

(参考)経済産業省 平成28年度 新・ダイバーシティ経営企業100選ベストプラクティス集

P45がタカハ機工さんの取組紹介です

 

(編集後記)

26歳という若さですが、ハキハキとインタビューに答えてくれた中村さん。夫婦でしっかりコミュニケーションを取り、役割分担を明確にし、気分転換をどう図るか等、話し合ってから育休に臨んだという姿は、意外とやれそうでやれていないことかもしれず、取得を検討している方には是非参考にしてほしいと思いました。保育園が早く決まって生活のリズムが整うことを祈っています。