パパインタビュー

【第20回】あえてワンオペによる育児スキルアップを目指し取得。幼稚園に何を持って行くべきか困るも最後はリスト化し対応。今では育児は夫婦の協力プレイに(株式会社ドコモCS九州・秋吉洋祐さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第20回 パパインタビュー

  • 取得者:秋吉 洋祐(あきよし ようすけ)さん(40歳)(勤務先:株式会社ドコモCS九州
  • インタビュアー:FJQ 樋口

秋吉さんは、ドコモグループのドコモCS九州という会社で、ネットワーク部門で携帯電話の基地局建設を推進する部署に所属されています。現在は職場内で主にDXを推進する業務をされているということで、個人的に本業も興味津々なのですが、昨年の8月から第三子ご誕生に合わせ2か月の育休を取得されました。

Q:取得の目的は?

育児と妻の心身のケアが主目的でした。また、自分自身が育児に専念してスキルアップしたいと考え、あえてワンオペを経験してみたいと思い、取得しました。

Q:取得はもともと予定されていましたか?また、職場に根回し等を行いましたか?

1人目の時、育休は取得せず、2人目の時には2週間の育休を取得しました。今回は3人目ということもあり、上の子の幼稚園の送り迎えなど産後の妻では物理的に不可能なことが見えていたので取得自体は確定していましたし、また、前回の育休時、2週間という期間では、スキルが十分身につかなかったため、ある程度長期の2カ月取得することにしました。

職場には早い段階で課長に相談し、業務量の調整などを共有していましたが、出産予定日の一か月前に異動が決まり少し慌てました。新しい課長にあらためて相談したところ、驚いてはいましたが、業務は気にせず必要な期間を取得するようにと快く勧めていただきました。

急な異動にも、職場のサポートがあったのですね!

Q:取得中は主に何を担いましたか?奥様との役割分担は?

予め妻と役割分担を決め、最初の1か月目は(妻に口でフォローを貰う時もありましたが)私がほぼすべての家事を担うようにしました。2ヶ月目に入ってからは徐々に妻ができることを増やしてもらいました。

Q:育休中の標準的な1日の流れを教えて下さい。

  • 6時~起床、朝食準備(お弁当作り)
  • 7時~子供を起こして朝食、幼稚園準備
  • 8時~幼稚園に登園(長男、次男)
  • 9時~食器洗い、洗濯、片付け
  • 11時~昼食準備、幼稚園にお迎え(次男)※未就園児なので早く終わる
  • 12時~昼食
  • 13時~お昼寝
  • 14時~幼稚園にお迎え(長男)
  • 15時~スーパーに買い出し ※必要なときのみ
  • 16時~洗濯取り込み、収納
  • 17時~夕食準備
  • 18時~お風呂準備、夕食
  • 19時~お風呂入れ、寝支度
    ~21時 寝かしつけ ⇒ 以降朝まで2時間おきの授乳(妻と交代制)

Q:得して良かったこと、大変だったことは?

良かったことは、子供とのコミュニケーションが深まったこと、妻の心身の回復が早かったこと、家事スキルがアップしたこと、妻と会話する時間が増えたことです。家事スキルは、家のどこに何があるか分かるようになりましたし、洗濯の仕方も分かりました。幼稚園に毎日何を持って行けばいいのかも、整理して見える化もできました。

大変だったことは、ワンオペの辛さが身に染みたことと、やることが多すぎて一つ一つを理想通りにできなかったことです。半面、手を抜くことの大事さも分かりました。

保育園・幼稚園に持って行くものって曜日ごとにあって、ほんと難しいですよね・・よく分かります。(苦笑)

Q:(ぶっちゃけ)収入面はどうでした? 

育児休業給付金により収入が3分の2になると試算していたのですが、想定していたより減少しませんでした(社会保険料免除等もあり)。また、育休中はお金を使う暇がないので、これまでは働く上で色々なことにお金を使っていたんだと気づきました。また、会社からの住宅補助がなくなるなど、制度によっては思わぬところでマイナスもあるので、そういった心構えは必要だと思います。

Q:取得したことで変わったこと、仕事内容、仕事スタイルへの影響はありましたか?

妻の困り具合や辛さに気づきやすくなりました。また、夫婦で家事育児の協力プレイがしやすくなりましたね。取得後は、仕事はフレックス制度やテレワークを活用し、柔軟な勤務時間を選択するようになりました。

Q:これから取得する人へアドバイスするとしたら?

思い出はプライスレスです。この瞬間にしか経験できないこともプライスレスです。収入は思っているより減らない方法もあるし、後でいくらでも取り返せるのであまり気にせず、思い切って長期取得をして人生を見つめ直してはどうかと思います。

Q:その他、育休制度等へのご意見等をお願いします。

育児休業給付金をもっと早く支給してほしいと思います。所得税非課税や健康保険と厚生年金の免除など様々な制度によってトータルの収入が減らないようになりつつあるが、何がいつ入るか、どのくらい減免されるのかが複雑で、忙しい時期にすべてを理解して準備するのは難しいです。例えば育児休業を取得したタイミングでその人に必要とされる金額を一括で支給するなど、制度をシンプル化してもらえると経済面でも安心して取得できるのではと思います。

また、諸手続きが煩雑すぎるのも悩みです。国に出すもの、会社に出すもの、健康保険組合に出すものなど事務手続きだけでもそれなりの時間がかかってしまうため育休取得したい全ての方の貴重な労働資源を確保する意味でも、手続きをシンプル化してもらえるとより制度を活用しやすくなると思います。

 

(編集後記)

 しっかりメモを用意し臨んで頂いた秋吉さん。どうもありがとうございます。インタビューした方の多くがそうなのですが、非常に用意周到な方が多いのが今回インタビュー始めてからの率直な感想で頭が下がります。

幼稚園や保育園の持参物の話では私も身に覚えがあり、大変盛り上がりました。なんで毎日あんなに用意するものが多くて難しいのでしょうかね(笑)。ただ最後には画像でリスト化し整理されるなど、さすがだなと思いました。思い出はプライスレス、という言葉は、本当に下の子供が小学校高学年になった今では私も胸に響きます。奥様と今しかできない育児ライフを楽しんで下さい!