パパインタビュー

【第6回】育休を契機に社内デジタル化、業務効率化がさらに進展。育休期間中は、妻の体調管理を最優先に。育休は絶対取った方がいい!(エコワークス株式会社・上野浩太さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第6回 パパインタビュー

  • 取得者:上野 浩太(うえの こうた)さん(勤務先:エコワークス株式会社
  • インタビュアー:FJQ 樋口、みね

上野さんは、福岡市本社で環境に優しいエコ住宅を手掛ける、エコワークス株式会社の熊本オフィスで営業を担当されている38歳。東京から九州に移住された後、二人目のお子さんが生まれた直後から1か月の育休を取得されました。

Q:取得のきっかけは?

1人目の子供が生まれたときには、東京で個人事業を行っていたため、育児休業を取得できませんでした。実はその時、妻が育児の負担もあり、体調を崩してしまったんです。二人目が生まれたら妻のケアを行いたいという強い思いがありましたが、その後、九州に移住し、現在の会社に出会い、仕事の調整もできそうだと考え、育児休業を取得することにしました。

Q:会社や上司の反応はどうでした?

社長が、元々SDGSや環境問題への関心が高い等、企業として目指している方向と、(男性育休促進等の)国の方針が合致していることが多かったため、男性育休も会社として推奨頂いており、取得したいと相談した時も、「頑張ってね」という反応で、会社の理解はすごくありましたね。また、私は営業職という立場ですが、社内では5~6人のチームで動いており、お互いにフォローする文化があったのと、コロナ禍で急速にデジタル化が進展し、顧客ともオンラインでのやりとりが増えたことも、常に現場にいないといけないということがないので、育休取得の心理的ハードルを下げてくれました。もちろん、様々な形でサポートしてくれたメンバーには大変感謝しています。

Q:それはコロナ禍の数少ないプラスの側面ですね!営業職というと、お客様対応というイメージですが、育休中に、どうしても顧客対応しないといけないようなケースはあったのでしょうか?

幸い、当社ではマニュアル化が進んでおり、営業にあたっても動画などデジタルツールの活用もあり、育休中も仕事上の問題を感じることはあまりありませんでした。

Q:育休中、奥様との役割分担は如何でしたか?

取得した1か月の期間中は、全ての家事、育児を行うと宣言しました。1か月だけの期間ではありますが、妻には出産後の体調を戻してもらうことを最優先してもらい、長女の世話も含め担当しました。元々料理好きなこともあり、本を読んで体調回復に良い料理などを作ったりしていました。1人目の時に取得できなかったため、2人目で取得できて良かったです。妻にもその期間は休養してもらえたのではないかと思います。また、自分の体調管理も重要なので、空き時間にジムに行く等、タイムマネジメントに気を付けていました。

Q:収入面はどうでした?

給付金に加え、社会保険料の免除などもあり、手取り収入は、ほぼ一緒でした。

Q:取得した率直な感想は?

育休は絶対取った方が良い!と声を大にして言いたいです。育休取得後は、育休中の「あの忙しさ」を想定しながら仕事をするようになりました。育児の大変さを理解している人と理解していない人とでは大きな違いが出ると思います。

Q:取得後に仕事内容、仕事スタイルへの影響はありましたか?

仕事スタイルは大きく変わりました。乳幼児の育児はエンドレスです。世の中の女性はこんなに大変だったのかとリスペクトの気持ちが強まり、早く家に帰って家事を手伝わないと、という意識が強く働き、帰るのは各段に早くなりましたね。商談や打ち合わせも、顧客満足度を保ちつつ、どうやって時間を短縮するかについて改善しようという意識が強く働くようになりました。

また、住宅業界というものは、まだまだデジタル化が進んでいないので、社内でのデジタル化を主導し、ビジネスモデルの変革できたのではないかと思います。例えば、営業におけるSNSの活用などで、5年前では信じられなかったことですが、今では当社のインスタのフォロワーは10万人を超えています。
さらには、住宅業界というのは、育児や家事などお客様のライフスタイルに寄り添うものであり、自分の育休を通して、お客様と話せる共有言語も増えていったと思います。

Q:これから取得する人へのメッセ―ジをお願いします。

是非、積極的に取ってほしいですね。育休は時間の効率化、業務スキル向上に確実につながります。また、何事も事前の「準備」が重要です。

(編集後記)

上野さんの勤めるエコワークス株式会社は、SDGS経営に力を入れておられ、コロナ禍にもかかわらず、2004年の創業以来、連続黒字を達成されています。これまでの私の経験上、このような会社は、ほぼトップが男性の育児参加にも肯定的で、やはり同社も同様でした。加えて上野さん自身も、育休を通した働き方の変化、生産性の向上を大いに感じておられ、FJQで提唱する「男性育休は会社の業績にもプラスである」を体現しておられ、大いに共感できた次第です。上野さんの今後のさらなるご活躍を心よりお祈りしております!