パパインタビュー

【第22回】初めて父になれたと実感。「ハッピー・ツー・ウィークス」や「不取得理由書」で職場風土が変わった。仕事面で何でも自分でやろうとするのは良くないと気付けた(佐賀県庁・川崎悠史さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第22回 パパインタビュー

  • 取得者:川崎 悠史(かわさき ゆうじ)さん(33歳)(勤務先:佐賀県庁
  • インタビュアー:FJQ 樋口

※「川崎」さんの「崎」の「大」は、正しくは「立」と書きます。

川崎さんは、現在、佐賀県庁の行政デジタル推進課で組織内のデジタル化を進めておられます。2021年末に第3子となる男の子が生まれた直後の2022年1~2月に約2カ月の休暇(8日間の有休含む)を取得されました。ちょうど前回、組織インタビューで佐賀県庁人事課さんへインタビューしておりますので、取得側の目線から県庁内の取組についても語って頂きました。

Q:取得の経緯・目的は?

出産直後の妻のケアに加え、上の子2人の育児もありましたし、ちょうど引っ越しも重なり、家庭が大忙しでしたので。妻からも「今回は取得するよね・・」という無言のメッセージもありました(笑)。

Q:取りたいと伝えた際の奥様の反応はいかがでしたか?

上記の事情もあったので、妊娠が分かってすぐに取得してほしいと言われていました。

Q:取得にあたり、職場との調整で大変だったことは?

職場でもあまり育休を取得した男性がおらず、自分が取っていいのか、という迷いはありました。そんな中、県庁内で「ハッピー・ツー・ウィークス」が始まったので、背中を押された気分でした。相談してみると、上司や同僚も「家族優先で!」という反応でありがたかったです。

Q:取得中は主に何を担いましたか?

家事は掃除、洗濯、食事など全て担いました。とはいえ、慣れない家事でしたので、横にいる妻から指示をもらいながらやっていました。

Q:育休中の標準的な1日の流れを教えて下さい。

上の子の保育園送り、洗濯、掃除、ご飯、また洗濯、掃除などであっという間に過ぎていきました。

Q:取得して良かったこと、大変だったことは? 

良かったことは、「ちゃんと父になれた」気がしたことです。夜中にミルクで何度も起こされた際に、「この子はよく起きるね~」と妻に言ったところ、「上2人もそうだったよ」と言われ、焦ったエピソードもありましたが、育休を通して妻と子育ての認識を共有できた気がします。

大変だったことは、夜中起こされたことです(苦笑)。体力的にもきつかったです。

Q:(ぶっちゃけ)収入面はどうでした? 

そこまで大きな減少ではなかったですが、(給付金の)振込が早いとありがたいと思います。

Q:取得したことで変わったこと、仕事内容、仕事スタイルへの影響はありましたか?

以前よりも家庭を大事にするようになったと思います。仕事面でも、何でも自分でやろうとするスタンスだったのが、(可能なものは)お願いしてみようというスタンスへ変わりました。家庭では自分以外、妻と育児する人間はいないので。

Q:これから取得する人へアドバイスするとしたら?

育休を取得したら、やれることは何でもやってみた方が良いと思います。何事も経験と思いますし、妻にも安心して休んでもらうことができると思います。

Q:その他、制度面等に関するご意見等あればお願いします。

1つは育休給付金が振込まれるタイミングをなんとかして早くできればいいなと。2つ目は児童手当に関するものや共済組合に関するものなど書類が多いため、簡素化できるといいなと思います。

 

(編集後記)

意図した訳ではなかったのですが、たまたま県庁としての組織インタビューの直後にお話を伺った県庁マンの川崎さん。2週間休暇や不取得理由書など、県庁の制度改革が着実に実を結んでいることが説得力を持って伝わってきました。引っ越し直後の慌ただしい中、奥様との二人三脚で3人の子育てに取り組まれた経験はきっと、佐賀県庁さんが掲げられるしなやかで強い組織づくりに寄与されるものと思います!今後の公私に渡るご活躍を祈念しています。