パパインタビュー

【第10回】2度の分割取得で、出産直後と妻の職場復帰をサポート。育休制度はしっかり下調べをして効果的な活用を(明倫国際法律事務所・吉田修一さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第10回 パパインタビュー

  • 取得者:吉田 修一(よしだ しゅういち)さん(勤務先:明倫国際法律事務所
  • インタビュアー:FJQ 樋口

※「吉田」さんの「吉」の字は、正しくは「土(つち) 」に「口(くち) 」と書きます。

吉田さんは、福岡市の明倫国際法律事務所で事務員を務めておられる38歳。長男の誕生の際に育休を取得。現行制度を活用し、利用目的に合わせて2度に分割して取得されました。

Q:取得のきっかけは?

子どもを授かる前から、生まれたばかりの子どもの育児を妻だけにまかせるのではなく自分も一緒にサポートしたいという思いから、なんとか取得したいと思っていました。

Q:2度に分割して取得※されたとのことですが、どのように取得されたのですか?

はい。1回目は、出産直後に2週間取得しました。2回目は、それから約11か月後に、妻の職場復帰に合わせて10日間取得しました。

※男性育休の分割取得・・・今回の法改正前も、「パパ休暇」として、生後8週間以内とそれ以降で2度の分割は可能でした。ただし、令和4年10月以降は、生後8週間以降も子が1歳になるまでは分割取得が可能になり、妻の健康状態や仕事に合わせる等の柔軟な取得が可能になります。

Q:なるほど。それぞれ目的が違ったようですね。

そうです。最初は、出産後の妻のケア、2回目は、妻が仕事に復帰した際に子育てとの両立はかなり大変なので、その時間を短期間でもサポートできればと思いました。

Q:会社や上司の反応はいかがでした?

取得開始の4か月前から、上長への相談を開始しました。職場の理解もあり、すんなりOKで助かりました。他方、業務の引継ぎは、仕事柄、裁判の案件やクライアントとの調整など、量もありましたので、計画的に2人の事務員に行いました。

Q:取得中の奥様との役割分担は如何でしたか?

もともと食器洗い、掃除など家事は分担して担っていました。料理も出来る方でしたが、毎日家族や離乳食の献立を考えるのは思いのほか大変でした。また取得期間中に子どもが病気にかかり毎日病院への通院が必要で負担軽減出来たので良かったです。子どもの夜泣きには夫婦で交代で対応しました。

Q:取得した率直な感想は?

思った以上に育児は重労働でした・・・取得後は、極力仕事を早めに片付けて早く帰るスタイルへ変わりました。現在は、保育園から熱発の呼び出しもいつ来るか分からないので、業務を前倒しするようにして心と時間に余裕を持つように心掛けています。また、職場がテレワーク可能なので、育児と仕事の両立にとても役立っています。

Q:収入面はどうでした?

ほぼ変わりませんでした。なお、育児休業期間中は、社会保険料などが免除されますが、ボーナス月を含められると、ボーナス分も免除対象になることがありますので、取得前に制度はしっかり調べた方が良いと思います。

Q:制度アドバイスもありがとうございます!これから取得する人アドバイスするとしたら?

是非、積極的に取得を目指されてはどうかと思います。子どもや妻のためだけではなく、自分のためになると思います。また、分割取得もあまり知られていないので、有効に活用されることをお勧めします。

 

(編集後記)

実は、2回目の分割取得の最終日がインタビュー日当日と重なってしまい、吉田さんには貴重な時間を使わせてしまい、大変申し訳ありませんでした・・・。ちなみにインタビュアーの樋口は、妻の仕事復帰の際に取得したのですが、今回、2回の分割取得のことを伺い、確かに、産後ケアも仕事復帰時も二兎を追うことも可能なのだ、と目から鱗が落ちた次第です。今年10月からの法改正で、生後8週以降も、子が1歳になるまで最大4回まで分割取得が可能になりますので、妻と交代で育休を取得したり、妻の仕事復帰時に取得したり、とさらに柔軟な取得が可能になります。是非、今後取得を検討される方は参考にされてみてください!