このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。
第29回 パパインタビュー
- 取得者:石橋 弘行さん(28歳)(勤務先:武井電機工業株式会社)
- インタビュアー:FJQ 樋口
今回のインタビューは、前回に引き続き、佐賀県の武井電機工業にお勤めの石橋さんです。石橋さんは、同社の主力製品の1つである加工機械の部材調達の仕事をされています。第一子となる長男の出産に合わせ、出産直後に1週間、出産から3週間後に1週間、分割取得※されました。
(育休の分割取得について)
※令和4年10月から、2回の分割取得が可能になりました [詳細 (PDF)]
Q:取得の目的は?
夫婦で育児をしたかったのが一番の目的です。ただし、当初は取れないだろうな、と思っていました。
Q:そうなのですね。あまり前例がなかったとか?
そうなんです。うちの会社では前例がないと聞いていたので。ですが、実は、違う部署の係長が、「せっかくだから取ったらいいじゃないか」と言ってくれて、私の部署にも根回ししてくれ、非常に取りやすい雰囲気を作ってくれたんです。
Q:それは素晴らしいですね!違う部署とはいえイクボスですね。同じ部署の上司の反応はいかがでしたか?
その係長が総務部署等に当たって制度的なことも調べてくれて、すんなりOKになった感じでした。
Q:取得中は主に何を担いましたか?
晩ご飯づくりやミルクあげ、風呂入れ等を担当しました。
Q:今回、2回に分けて取得されていますが、その目的は?
生後すぐと3週間後というそれぞれのタイミングで妻の家事を手伝いたいと考えたためです。
Q:取得して良かったこと、大変だったことは?
良かったことは、生まれたばかりの赤ちゃんの育児が分かったことです。仕事している中では、日中に子供がどうなっているか分かりようがなかったので。妻が普段行っている1オペの大変さも痛感しました。
大変だったことは、給付金があったとしても(67%が支給されることに加え、社保や健康保険は免除されます)、やはり手取りは減るし、振り込みの時期も遅いので、節約は必要だったことです。
Q:これから取得する人へアドバイスするとしたら?
取得したければ、ぜひまずは上司に相談した方が良いと思います。
Q:FJQが提唱している「男性育休10か条」について感想等あればお願いします。
「制度理解」が重要だと思います。私も給付金が67%と知って資金計画を立てたので、制度は早めに知っておくに越したことはないと思います。
これまで育休インタビューをしていると、20代の取得者は特に、育休取得に対して抵抗感が少ない印象ですが、石橋さんからも同様に、取れるのであれば普通に取りたいという自然な意向を感じました。また、違う部署の上司の方が力になってくれたというのも良いエピソードで、職場のフラットな雰囲気があったからではないかと思います。今後、石橋さんが上司になった際にも同じような雰囲気の職場を作っていって下さることを期待しています。