パパインタビュー

【第21回】妻から「あなたは育児しないの?」と言われ、子どもと直接触れ合う育休へ。記者は仕事の自由度を活かし工夫は可能。人生を楽しむ視点で育児を行ってほしい(西日本新聞社・長田健吾さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第21回 パパインタビュー

  • 取得者:長田 健吾(おさだ けんご)さん(28歳)(勤務先:株式会社西日本新聞社
  • インタビュアー:FJQ 樋口

長田さんは西日本新聞社社会部で記者をされており、マスメディア関係者としては、第3回の大塚さん依頼2人目、新聞社勤務ということでは初めて(!)のインタビューとなります。20代で第一子となる長女が生まれた際に、約2か月の育休(一部有給含む)を取得され、その模様を新聞記事を通じ、発信しておられましたが、育休期間が終了したタイミングで、まとめて感想をお伺いしました。

Q:取得の経緯・目的は?

もともと育休を取ってみたいと思っており、自然と職場でも話していました。育児全般をやってみたいと思っていました。

Q:取得を打診した際に、会社や上司の反応はいかがでしたか?会社との調整は大変でしたか?

もともと職場で同僚に伝えていたこともあり、普通に受け入れてもらえました。会社に相談した際、人事部からも制度説明を受ける等のサポートもありました。また、年齢が近い同僚からは、自分たちの時は数日しか取得しなかったのであまり意味がなかった、長期取ることは良いことだ、という反応がありました。また、取得前は仕事でバタバタしており、申請のタイミングは直前になったのですが、法改正※によって、2週間前までの申出を行えば良いことになっていたため、助かりました。

(参考)
※令和4年10月1日に施行した改正育児・介護休業法により、職場への申出期限が従前の1カ月前から2週間前に緩和されました。

Q:取得中は主に何を担いましたか?奥様との役割分担は?

最初の頃は妻をサポートしたいと考え、家事や食事の準備といった作業を行っていたのですが、妻から「あなたは育児しないの?」と言われ、自分が子どもに直接触れ合うことを躊躇していることに気づきました。それではいけないと、その後、オムツ替えやミルク等、子どもに接するようになりました。

Q:最初は首も座ってなくて大変と思いますが、逆に言えば、その頃の子どもに触れ合える貴重な時期ですもんね!育休中の標準的な1日の流れを教えて下さい。

7時くらいに起き、子どもとリビングに行って、その後、昼ご飯、夕食も16時頃という、かなり前倒しのスケジュールでした。妻は夜中の授乳等もあるので、できるだけ妻が寝る時間を確保できるように交代するよう気を配っていました。

Q:取得して良かったこと、大変だったことは?

大変だったことは、1つは寝不足です(笑)。また、第一子ということもあり、いろいろなノウハウがなく、子育ての手順1つ1つに不安になることも多かったです。コロナ禍だったため、あまり外出もできず、体力的にも精神的にも削られるので、些細なことで夫婦喧嘩になるようなこともありました。

良かったことは、笑ったり、声を出したりという子どものちょっとした成長の瞬間を1つ1つ一緒に体験できたことです。また、育児の大変さについて身を持って知れたことも財産です。

Q:収入面はどうでした? 

(給付金が66%出るので)予測はできていたのですが、実際に取得してみると、振り込みが2か月に1回なのは、通帳の数字が減っていくため慣れないことで精神衛生上良くありませんでした(苦笑)。その辺はどうにかならないのかなと思います。

Q:取得したことで仕事内容、仕事スタイルへの影響はありましたか?

やはり職業柄、これまでは夜遅くまで働くことが多かったのですが、例えば、これまで午後に取材を入れていたのを極力午前中に行い、できるだけ17時に退社し、子どもが寝た後20時くらいから記事を書くようなスタイルへ変えています。記者という仕事は出社はマストではなく、考えようによっては仕事の自由度が高いので、工夫するようになりました。
17時に退社するのは、最初は周囲の目もあり勇気が必要でしたが、やり始めると日常になっていきました。

Q:子育てと仕事を両立するためには量ではなく質重視の「成果主義」にならざるをえないですもんね!これから取得する人へアドバイスするとしたら?

取得を迷っている人には、取った方が良いと言いたいです。子どもの人生の中でも目まぐるしい変化があるちょっとした期間に一緒にいられるのは大きなメリットと思います。また、仕事をしている時には行けないいろいろな所に行ってほしいと思います。また、今は育休を分割※して取得できるので、是非夫婦で人生を楽しむためにいろいろな取得方法を試してもらえたらと思います。

※令和4年10月1日に施行した改正育児・介護休業法により、夫婦とも分割して2回育児休業できることになりました。

Q:最後に制度について等、一言お願いします!

最近、一部の企業でも取組が出てきましたが、1人職員が抜ける負荷はやはり大きいため、(育休取得者の)同僚へメリットが出るような仕組みがあると良いなと思います。

やはり、目に見えるような支援があれば、職場でのお互い様文化も育っていくかもしれませんね。どうもありがとうございました!

 

(編集後記)

もともとは、ファザーリングジャパン九州に対して、男性育休について取材頂いていた長田さん。今回、逆取材させて頂き、どうもありがとうございました(笑)。

毎回インタビューしていると、「寝不足」等大変だったエピソードはたくさん出てくるのですが、長田さんは、それだけでなく、分割取得等、法改正で可能になったことを活かし、人生の中で育児を楽しむような取り方を模索してほしいと言われており、まさに、夫婦で共同戦線を取り、お互いのワークとライフに折り合いをつけ、育児期を楽しむことが重要だなと気づかされました。是非2度目の分割取得やその体験記など、新たな新聞記者像を開拓していってほしいと思います。