このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。
第28回 パパインタビュー
- 取得者:森 達也さん(37歳)(勤務先:武井電機工業株式会社)
- インタビュアー:FJQ 樋口
今回のインタビューは、初めて佐賀県内の企業にお勤めの2名の社員さんへの取材となりました。経済産業省の地域未来牽引企業にも選定されている有名なものづくり企業、武井電機工業にお勤めの森さん。森さんは、同社で、配電盤等の塗装業務を担っておられます。2人目のお子さんとなる次女の誕生に合わせ、生後すぐから28日間の育休を取得されました。
Q:取得の目的は?
お互いの親に頼れない環境で家事・育児を行う必要があり、取れたらいいなとは前から考えていました。また、2歳になる長女のケアも大変なので、取得に至りました。
Q:取りたいと伝えた際の奥様の反応はいかがでしたか?
安心して喜んでくれました。
Q:取得を打診した際の、職場や上司の反応は?
取得したいというのは以前から軽く話していました。また、仕事量が減るタイミングに合わせて取得することができ、何より、8名のメンバーが同じ課にいるのですが、上司の考えが、「誰かが欠けてもいつでも仕事が回せる体制を作ろう」というもので、普段から業務をシェアしたりしているので、問題なく取得にこぎつけました。
Q:これまた石橋さんと同様、イクボスの登場ですね!取得中は主に何を担いましたか?
家事育児は全般を担いました。ご飯作りも苦手なのですが取り組みました。
Q:育休中の標準的な1日の流れを教えて下さい。
朝、朝食を準備し、上の子を保育園に連れて行った後、食器洗い、洗濯、買い物、昼食、洗濯ものたたみ、保育園迎えといった感じです。休む間もあまりなかったです。
Q:取得して良かったことと、大変だったことは?
良かったのはやはり、妻が喜んでくれたことです。大変だったのは、家事育児全般をこなすことですね。食事はネットで調べて作ったり、市販の食品を活用したりと、いろいろ試しました。
Q:(ぶっちゃけ)収入面はどうでした?
事前に調べていたので、貯金でやりくりできたので、そこまで大変ではなかったです。
Q:取得したことで仕事スタイルへの影響はありましたか?
自分は特にないですが、後輩には、子供が大変な時などは前もって言ってもらい、うまく仕事を回せるよう力になりたいと考えています。
Q:これから取得する人へアドバイスするとしたら?
まず、当たり前ですが、戦力になる必要があります。また、育休を取らずとも、普段からできることもたくさんあるのでやってほしいです。
Q:FJQが提唱している「男性育休10か条」について感想等あればお願いします。
私が大事だと思ったのは「夫婦コミュニケーション」、「資金計画」、「職場調整」、「体力維持」、「気分転換」ですね。思った以上に体力が必要になるのと、時々1人になる時間も気分転換には重要でした。
Q:その他、育休制度全般へのご意見等あればお願いします。
取得のために会社へ申請するのではなく、会社からのアプローチを工夫する等、もう少し取りやすい方法があれば良いと思います。
2歳の長女のケア等のため、比較的長めの28日間の取得をされた森さん。体力維持や気分転換の必要性も(私自身の育休を思い出しながら)大いに賛同できました。また、最後に、会社からの取りやすいアプローチの必要性についても語って頂きましたが、佐賀県庁が実施されている「不取得理由書」(取らない場合に限り理由書を提出する制度)制度はいかがでしょうか。経営層の方に検討頂ければ幸いです。