パパインタビュー

【第14回】育休中の就労は、育児との両立も可能で、精神的な安定要因に。取得に向けては妻とのコミュニケーション、本人の心づもりが重要(株式会社バウンディングパルス・三根一晃さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第14回 パパインタビュー

三根さんは福岡市の企業にお勤めの39歳。前職となる会社に所属されていた2018年に第二子となる長男の出生のタイミングで2カ月弱の育休を取得されました。三根さんは育児休業中の就労という制度を使われたということで、その辺を掘り下げていきたいと思います。

Q:取得の目的は?

2人目の出産だったこともあり、出産が与える母体へのダメージや産褥期にしっかり休むことの重要性を少しは理解できていたため、妻がゆっくり休めるようにというのが一番の目的でした。取得中は家事、育児全般を行いました。

Q:育休中に就労されていたそうですね。詳しく教えて下さい。

はい。育休中、大半の時間は育児に充てていたのですが、ちょうど転職したばかりということで、仕事面で対応が必要なことがあり、職場と合意の上でサポート的に業務を行っていました。私が人事面も担当していたこともあり、柔軟に手続きを進めることができました。就労していたといっても、大半がテレワークでしたので、育児の合間に行うことができました。なかなか時間は思うように取れませんでしたが(笑)

(育休中のとある日のメモ)

🔗参考:育児休業中の就労について(厚生労働省ホームページより)

Q:なるほど!転職したばかりということで、なかなかフルでの育休は難しいケースもあるでしょうね。そういった形で柔軟に業務ができたというのは心理的にも良かったのではないでしょうか。

はい。半分仕事とつながっているということで、精神的にも安定していました。

Q:職場との調整で大変だったことはありましたか?

いえ、代表からも育休の制度を好きに使ってほしいという言葉がありましたし、同世代で子供がいる同僚もいたので、皆、理解はして頂いていたと思います。また、その後、私と同様の形で就労しながらの育休を取得された方が3名出ました。

Q:職場のロールモデルになられたということで、素晴らしいですね!取得した率直な感想は? 

充実していました。もともと子供が好きで世話が苦痛ではなかったですし、自分の役割をこなせているということに満足できました。

実は1人目の時は、妻との間で無意識の役割分担があり、当たり前のような形で妻が育休を取り、育休復帰後も時短勤務で保育園のお迎えは妻がしていました。ただ、妻からその後、キャリアも育児もあきらめたくないと打ち明けられ、ちゃんと話し合っていなかったことにはっと気づかされました。その時点でマインドが変わり、子供のお迎え等分担するようになったので、2人目で育休を取れて良かったと思います。

Q:収入面はどうでした? 

月80時間以内の就労ということで、育休給付金も出ましたし、社会保険料等の免除もありましたので、あまり減ったという感覚はなかったですね。

Q:これから取得する人へアドバイスするとしたら?

ひとくくりに育休と言っても、取得の目的や仕方は人それぞれだと思います。育休中の過ごし方や役割分担を事前に夫婦でしっかりと話し合っておくこと、妻のニーズを聞いておくことが重要だと思います。

Q:その他、育休制度についてご意見あればお願いします。

法改正で取得しやすい環境は整っていますが、取得に向けての本人の心づもりが重要だと思います。また、取得しやすい社内風土づくりも重要だと思います。

 

(編集後記)

4年以上前の育休の記憶をたどりながら、丁寧にお話頂いた三根さん。「育休中のとある1日メモ」、是非ご覧頂ければと思いますが、お子様と奥様への愛情が詰まっている気がしました。14回目のインタビューで初めての育休中の就労について伺いましたが、コロナ禍でテレワークが定着している今、育児100%ではなく、多様な選択肢を持って育休に臨むことも大事だと感じた次第です。