パパインタビュー

【第25回】夫婦で負荷を分散でき、育児にゆとりが出ることは夫婦の精神衛生上、とても良かった(久留米市役所・蓮尾亮介さん)

このインタビューは、「令和3年育児・介護休業法改正特別企画」として、産Q育Qプロジェクトのメンバーが、男性育休取得者から育休の体験談について話を伺う企画です。

第25回 パパインタビュー

  • 取得者:蓮尾 亮介(はすお りょうすけ)さん(31歳)(勤務先:久留米市役所)
  • インタビュアー:FJQ 樋口、馬場

蓮尾さんは、本インタビュー企画開始から、通算7人目となる自治体職員で、久留米市役所の男女共同参画部局で働かれています。職業でも推進されている男女共同参画をまさに体現(!)し、同部署におられる時に、長男の生後すぐ、合計6カ月弱の育児のための休暇を取得されました。

Q:取得のきっかけは何でしたか?

以前から取得したいと考えていたので、自然な形だったですね。ある程度長く取りたいというのもあり、子どもは10月25日に生まれたのですが、復帰のことも考えて、年度末まで取ることにしました。子どもが生まれて1か月強は有休と産後休暇を利用し、残り4カ月程度は育児休業を使いました。

Q:家庭や職場では早くから取得について話していたのですか?

妻には前から取得したいと話をしていました。また、職場へは、妻の安定期が過ぎたころに上長へ打診を行いました。職場の反応は良く、取得を後押ししてくれました。

Q:取得中は主に何を担いましたか?奥様との役割分担は?

もともと妻とは家事を分担しており、育休に入ってもその延長といった感じで大きく変化はなかったです。子どもを見るのも夫婦で手分けして対応し、どちらかがプライベートで出かける際には、もう1人が子どもを見る形で、負担がどちらかに偏らないようにしていました。

Q:育休中の標準的な1日の流れを教えて下さい。

午前中は妻が母乳をあげている間に湯を沸かしリビングの準備を行い、ご飯タイム。そしてオムツ替えなど。その後、散歩に出かけ、個人的に目的地が欲しかったので、スターバックスコーヒーに出かける等していました。おかげで甘いカフェ飲料の摂取が増え、体重が増加しました(笑)。
午後は子どもの昼寝後、私が中心となり沐浴、そして夕方の早い段階で寝かしつけ、といった形です。

Q:取得して良かったこと、大変だったことは?

良かったのは、育児を夫婦でバランスを取りながら行えたことです。子どももずっと一緒にいたので、なついてくれました。
大変だったことは、実は、あまりないんですよ。夫婦で分担して育児できたので。もちろん夫婦喧嘩などは時折ありましたが(笑)。

Q:夫婦で同時期の一番大変だった時期を乗り切ったのですね!ぶっちゃけ収入面はどうでした? 

家賃手当等が支給されなくなり、想定よりも収入が少なくてきつかったですね。そういうことになるのか、と改めて気付きました・・

Q:取得したことでご自身が変わったことは?

一通り育児を行うことができたので、自分一人で子どもと触れ合うことに困らなくなりました。現在の職務上、勤務時間の変動や土日の勤務もあるのですが、逆に遅番の時は午前中子どもといれたり、平日に子どもと遊びに行けたりするので、プラス面もあります。

Q:これから取得する人へアドバイスするとしたら?

育児に対してハードルを高く感じないでほしいです。ワンオペだと大変ですが、2人で分担するとやることは1/2になります。育児にゆとりが出ることは夫婦の精神衛生上にもとても良いです。また、取得期間中だけでなく、取得後の育児への自信にもつながるので、良いことだらけです。

Q:育児にゆとりを持つこと。ほんと多くの家庭で難しいのではないかと思える問題で、大事ですよね。最後に、育休制度等へのご意見等をお願いします。

現在政府で議論されているようですが、100%の所得補填を望みます。また、子どものいない方等、多様な方が職場にはおられます。育児を行う職員をサポートした職員への手当等も必要ではないでしょうか。

 

(編集後記)

筆者樋口は妻と交代で育休を取得した口なので、平日に夫婦で分担して家事育児を行った経験は少ないのですが、改めて、産後の母体回復期に夫婦でサポートし合いながら育休を取得する効果を思い知った回でした。

子どもがかわいいとはいえ、四六時中向き合うのは体力的にも精神的にも大変で、どちらかが外出し息抜きできるよう配慮し合っていた関係性も素敵ですね。蓮尾さんには今後、職場においても男性の育児参画の指南役としてのご活躍を祈っています。